【新華社北京7月14日】多くの開放政策が相次いで中国自動車分野に導入され、市場の注目を集めている。7月1日には、自動車・同部品の輸入関税が引き下げられた。7月28日には、新エネルギー車分野の外国企業の出資率と合弁企業数の規制が正式に撤廃される。中国証券報が伝えた。
中国自動車分野の対外開放基調がすでに明確になり、世界の自動車メーカーは中国市場で新たな歴史的好機を迎えつつある。自動車産業の国際化が進む中、外国の自動車メーカーが中国の市場競争に本格的に参戦すれば、外部から異質な要素が加わると全体の活力が増すという「ナマズ効果」で、中国自動車産業の発展が促進されると指摘する声もある。
▽関税引き下げは国内消費を促進
業界関係者によると、関税引き下げは、中国国内の自動車消費に直接的な利益をもたらす。「関税引き下げで、国産化されていない輸入車の購入コストが下がり、一部消費者の購買性向も改善する。また一部消費者が輸入車に転向すれば、国産車と輸入車の消費割合が変わり、両者の競争がいっそう十分になり、消費者にとっては利益となる」と全国乗用車市場情報聯席会(CPCA)の崔東樹秘書長は指摘する。
興業証券チーフ自動車アナリストの王冠橋氏は、完成車関税が引き下げられた後、中国の自動車市場では価格の連鎖反応が起こると予測。関税引き下げは輸入車の値下がりをもたらし、販売価格25万~30万元の一部合弁高級車、20万~25万元とそれ以下の合弁ブランドと中国独自ブランドの値下がりを招く。だが値下がりの波及効果は次第にスローダウンする。
「適切な関税引き下げにより、国内自動車市場には波及効果が起こり、自動車市場価格全体は下がる。中国の完成車メーカーにはさらなるコスト管理や製品競争力が求められるようになり、外部環境に促され、自動車メーカーの優勝劣敗が再演し、コア競争力を持つ優れた企業が頭角を現すようになる」と王氏は指摘する。
▽「ナマズ」が中国上陸
米テスラは10日、上海臨港管理委員会と臨港集団とともに、電気自動車プロジェクト投資協定に署名した。研究開発、製造、販売などの機能を一体化したスーパー工場を臨港地区に100%出資で設立し、電気自動車年間50万台の生産を目指す。
テスラは、中国の新エネルギー車産業を活性化させる「ナマズ」になる。従来の自動車メーカーにしろ、新興メーカーにしろ、技術や製品など多くの面でテスラと同じ土俵で勝負しなければならず、産業全体の発展がけん引されるとみられる。
「テスラの対中投資という話は早くから出ていた。上海工場の設立は、中国自動車産業の開放の第一歩だ。関税の引き下げと外資の参入は、中国自動車産業の市場化をいっそう促し、競争を激しくし、優勝劣敗を促す。さらに重要なのは、中国の国産ブランド自動車の競争力がこれで高まり、世界の舞台で正面からの競争を始めたということだ」と国盛証券研究所自動車産業アナリストの程似騏氏は語った。
▽産業発展が投資の機会もたらす
輸入関税引き下げと完成車企業の出資率規制緩和はともに、中国自動車市場のグローバル化に拍車をかけ、中国自動車産業の競争を増し、産業の統廃合発展を促すものになる。新たな自動車産業投資管理規定は、旧式生産能力を淘汰し、新規生産能力を優れた有力企業に集中させ、新エネ車の参入ハードルを高め、新エネ車産業を高級化、規模化、秩序化に導いている。
愛建証券によると、自動車産業の対外開放は、競争を激しくするとともに、産業発展の促進の役割を果たし、国内企業の製品の高度化と技術の進歩を促す。中国国内を見る限り、新エネ車の発展の見通しは明るく、中国の新エネ車部品メーカーは世界市場で比較的強い競争力を誇っている。
華泰証券研究員の謝志才氏も、新エネ市場開放は新たな投資の機会をもたらすと見込んでいる。テスラは川上のサプライヤーに大規模な注文をもたらし、テスラに部品を供給する企業は直接利益を受ける。もしテスラが中国の電池を採用すれば、川上のリチウムイオン電池企業が利益を受けることになる。
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