【新華社北京7月14日】中国北京の天壇公園は今年、世界遺産登録から20周年を迎える。北京市公園管理センターによると、天壇公園南側の内壇(内側の壁)と広利門の修繕工事が着実に進んでおり、区域内の住居立ち退き業務も徐々に展開されつつ、天壇公園の開放面積はさらに2・24ヘクタール増えるという。
歴史上の天壇の壁は内壁と外壁に分かれ、上から見ると「回」の字を描いている。これは「天円地方(天は円く、地は方形である)」という古代中国の宇宙観を象徴している。歴史的原因のため、民国時代から一部機関や事業体が相次いで天壇の外壁を占拠し、1950年代には天壇の外壁はわずか80メートルほどしか残っておらず、すっかり荒れ果てて、その完全性は損なわれていた。このため、天壇は世界遺産を申請した際に、天壇の「完全性」を回復させることを重要な公約とした。
天壇の歴史的景観と完全性回復のため、1990年代以降、天壇公園は天壇の壁や古代建築などの修繕、再建を何度も実施しており、これまでに内壁と外壁合わせて6千メートル余りが修復された。
天壇公園の李高園長によると、計画と整備案に基づき、今後は壁に沿って歩道を設置して環状の遊覧スペースを設け、さらに「御路(皇帝が通る道)」遺跡の展示を追加し、残りの場所は緑地化するという。整備後には建築物の面積が5171・6平方メートル減り、緑地面積は2万平方メートル近く増え、観光客に開放する面積も2・24ヘクタール拡大する。
天壇全域の面積は計273ヘクタールで、このうち72ヘクタールは歴史的原因のため依然として複数の事業体、機関および住居によって占拠され、立ち退きと修繕、回復が待たれる状況だ。歴史的景観保護業務のため、天壇公園は年内に園内19戸の住居立ち退きを完了する計画としている。
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