新華網北京8月28日(記者/蓋博銘、陳旭、李犇)「それぞれに合わせた教育を施す」教育ロボット、「三面六臂」の手術用ロボット、自動運転する乗用車…北京で開催されている2017世界ロボット大会で、人々の生活に役立つロボット技術が次々とお披露目され、来場者は近距離でロボット技術に触れて体験し、未来の暮らしの雰囲気を感じている。
教育:子どもの「オーダーメイド」育成プランが可能に
公共サービスロボット展示エリアで見ることのできる複数のモデルの教育ロボットの中には、人間型ロボット、ペット型ロボット犬、さらには「球状」や「卵型」のロボットもある。
今回出展された教育型ロボットは主に子どもや青少年向けのものだ。記者がパネルに軽く触れると、ロボットの方からコミュニケーションを始めた。十数分体験した教育ロボットのうち、基本的にはいずれも簡単な対話を行うことができ、そして一部のがジェスチャーもできる。
専門家は、教育分野も人工知能などのテクノロジーにより大きく変化するだろうと予測する。将来的には、「無限大」のスマートプラットフォームが現れ、ビッグデータの分析と処理を経て、一人一人の子どもの「オーダーメイド」育成プランを作成し、「それぞれの子どもに合わせた教育」を提供するようになるかもしれない。
医療:医師の「三面六臂」が可能に
工業ロボット展示エリアで、1台のテレビが外科医による肝臓切除手術のビデオを放映している。ビデオの中で、医師は手術用ロボット「ダヴィンチ」を操作し、巧みに病変組織を切除している。会場の子どもたちは好奇心に満ちた目でこの生き生きとした教育ビデオを観ていた。
展示エリアのもう一方では、スタッフがサージョンコンソール(操作台)に座り、目はモニターを見つめ、マスターコントローラを握り、ロボットの4本の「アーム」を上下に揺り動かしている。ほどなくして「傷口」の縫合は完了した。
この種の「ダヴィンチ」手術用ロボットは、中国にすでに60台余り配備されており、2016年には1万件余りの手術を行なっている。
医療用ロボットメーカーである美中互利医療有限公司の劉雨最高執行責任者(COO)は、医療用ロボット技術の進歩に伴い、新世代のロボットは抗がん治療に貢献できると紹介した。
専門家の予測によると、今後は手術用ロボット以外にも、人工知能を備える医療システムが大量のカルテを一括管理して総合分析を行えるようになり、医師の臨床知識をいっそう豊富にし、医師の診断をサポートするようになるだろう。
モビリティー:「人と車が助け合う」運転も可能に
無人自動車試乗エリアに1台の自動運転車が置かれ、ルーフの上には「LIDAR(レーザーレーダー)」システムが設置されている。中山大学データ科学・計算機学院の単雲霄副研究員が自動車のテストを行っている。
単雲霄副研究員の紹介によると、現時点でこの車がテスト用道路で自動運転することは可能だが、実際の生活に導入するにはまだ時間がかかりそうだ。
同副研究員は、「これも自動運転技術が急速に生活に入っていくことには影響しない。」と述べ、また「人による運転」から「自動運転」への過程には、「人と車が助け合う」という過渡期の技術もあると語った。
同副研究員は次のように述べた。「人と車が助け合う」システムは、ロボットの持つ優れた鋭敏性の強みを発揮し、人の自主性も十分に発揮することができる。技術の絶え間ない発展に伴い、自動運転車は将来主流になるだろう。
自動運転だけでなく、「スマートモビリティ」のスタイルもより豊富になっている。地平線機器人技術(Horizon Robotics)の余凱CEOは、ロボットはビッグデータに基づいて、一般家庭の位置、さらには階数まで自動で識別し、一連のルートプランをスマート送信することまで可能だと考えている。
AI(人工知能)を搭載したロボットは、自動通訳や画像認識など、「ソフト」形式で人々の生活をサポートできるだけでなく、将来的には、看護ロボットや医療用ロボットなど、「ハード」統合の形式で人々の生活に深くかかわるようになるだろう。今後20年以内に、AIは都市生活をよりスマートにし、都市管理をより高効率でスムーズにするだろう。
UBS銀行の研究報告によると、2030年までにAIが毎年アジアへもたらす経済効果は1兆8千億ドルから3兆ドルに達し、金融サービス、医療保健、製造、小売、交通などの産業に非常に大きな影響をもたらす見込みだ。これらの産業を合わせると、現在のアジアのGDPの3分の2に相当する。
(新華社より)
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