韓国映画『軍艦島』が連日社会の焦点となっている。映画は第2次大戦時に日本が朝鮮半島と中国の労働者を強制徴用した暗黒の歴史を題材とし、上映8日間で観客動員数延べ500万人を突破した。興行収入面の成功と同時に、映画は「軍艦島」問題に対する韓国社会の注目を高め、「選択的記憶喪失」を止めて歴史の罪を直視するよう日本側に要求する声が上がっている。人民日報が伝えた。
■韓国政府「労働者強制徴用は争う余地のない事実」
2015年7月、韓国メディアが「地獄島」と呼ぶこの場所は、「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界遺産に登録された。この「遺産」を構成する工業施設23カ所の多くに朝鮮半島と中国の労働者数万人の血涙が残されている。長崎港の南西18キロに位置する端島は、最も「残忍非道」な施設の1つとされる。
良質の石炭を埋蔵する端島は1890年に三菱社が買い取った後、重要な石炭産地となった。第2次大戦時、朝鮮半島と中国の労働者多数が強制徴用され、海面下1000メートルの高温、高湿度の炭鉱で働かされた。韓国の2012年の報告によると、1943~45年に端島に強制徴用された朝鮮人労働者は800人余りおり、うち122人が死亡した。韓国行政安全省の統計では、現在韓国に暮らす端島の生還者は6人のみだ。
申請過程の韓国からの強い糾弾を和らげるため、国連教育科学文化機関世界遺産委員会日本代表は申請時に「労働を余儀なくされた」との表現を用い、「朝鮮半島などから徴用された多数の労働者が劣悪な環境で働いた」ことを認めるとともに、2017年12月までの情報センター設置などの措置を通じて世界の人々にこの歴史を紹介することを約束した。だが日本政府は申請成功後すぐに口ぶりを変え、約束を遅々として履行せずにいる。
『軍艦島』は上映後日本側の強い不満を招いた。日本政府はこの映画を「フィクション」であり、史実を反映したドキュメンタリーではないと主張。菅義偉官房長官は、日韓間の財産権請求問題は労働者強制徴用を含め、1965年の「韓日請求権協定」ですでに「最終的に解決」済みだと述べた。韓国外務省の趙俊赫報道官は「韓国人多数がかつて軍艦島に強制徴用され、過酷な環境下で働かされたのは争う余地のない事実」として、申請時の約束の速やかかつ真摯な履行を日本政府に呼びかけた。
■真摯に反省して初めて未来に向かうことができる
『軍艦島の真実』と題する宣伝映像が米ニューヨーク・タイムズスクエアで現地時間7月3~9日に、計7000回以上流された。映像を計画した韓国徐ギョン徳教授によると、宣伝映像は端島でかつて起きた労働者強制徴用の歴史を全世界に知らせるとともに、日本に正しい歴史観の確立を要求することが目的だ。
韓国独立運動史研究所の金度亨首席研究委員は「日本は侵略戦争を発動し、周辺国に惨禍をもたらした。戦後はしかるべき責任を担わないばかりか、一貫して侵略を否定し、不法略奪・強制徴用の歴史を歪曲している」とした。徐氏は「労働者強制徴用、慰安婦など歴史問題をめぐり、日本政府が多数の動かぬ証拠を前に責任回避を選ぶのは、得るものがない。かつてドイツの『ワルシャワの跪き』は世界を感動させ、世界の人々の尊敬を得た。日本は歴史を直視し、真摯に反省・謝罪するとともに、被害者に対する賠償などの責任を担って初めて、真に未来に向かうことができる」と述べた。
(人民網日本語版)
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