新華網フフホト8月8日(記者/李仁虎、殷燿、勿日汗)モンゴルの草原から1万キロメートル余り離れた米ワシントンのジョン・F・ケネディ・センターで、抑揚のある馬頭琴の音とともに、ステージの幕がゆっくりと開いた。モンゴルの民族衣装をまとった7人の男性と2人の少女が、民族楽器を持って、ステージ上に一列に並んだ瞬間、米国の観客たちはモンゴル高原の風格とすがたを感じ取った。
彼らは、モンゴル族の青年アーティスト9人からなる自然派音楽グループ、アンダ・ユニオン(安達楽隊)で、中国国内の音楽界から中国民族音楽の世界進出で最も成功した例と評価されている。リーダーの那日蘇は、「モンゴル族の文化のためにより広い発展の舞台を探していきたい」と話す。
他にも中国・モンゴル族の現代のすがたを世界で表現していると言えば、モンゴル族の宇宙科学者、宝音賀西格がいる。1972年に内モンゴル自治区ジャライド旗のモンゴル族の農家で生まれた彼は今、清華大学航天航空学院の教授である。彼が先頭となって研究開発した有人探査機のエネルギー平衡分析ソフトウェアは、中国国内の未開発の分野を補い、中国の軌道上実験モジュールである天宮1号や無人宇宙船の神舟8号の順調な接続を助けた。
アンダ・ユニオンや宝音賀西格と同じく、中国で最も早く設立された省級少数民族自治区である内モンゴル自治区の設立から70年、伝統的な特色にあふれた古代からの民族であるモンゴル族は、熱い向上の精神を中国の大地で発揮し、より開放的な姿勢と、より自信にあふれた足並みで、さらに広い世界の舞台へと歩きだしている。
優れた草原文化を伝承して発展させ、中国全国と世界にアピールする点で、現代のモンゴル族は自信にあふれている。アンダ・ユニオン、ハンガイ(杭蓋楽隊)、HAYA楽団、アールグナ(額爾古納楽隊)、ウルナ(烏仁娜)など、ますます多くのモンゴル族のアーティストが世界の舞台に立っており、内モンゴルの高原音楽を世界の人々に届けている。
これまでの70年間、モンゴル自治区は時代と共に歩み、社会と同じペースで、民族文化の精髄を大いに発揚し、糟粕を捨て、変化と更新を追い求め、大きな度量で文明の最新の成果を受け入れ、伝統文化と現代文明の相互作用がもたらす新たなすばらしい生活を楽しむことを選んできた。
1990年代生まれのモンゴル族の少年である欧日楽格は、小学校から修士課程卒業までずっとバイリンガル教育を受けてきた。去年、内モンゴル大学の修士課程を卒業し、米国マイクロソフトに就職した。彼の設計したモンゴル語のキーボード入力プログラムは、windows OSやマイクロソフトのモバイルOSに応用されている。欧日楽格のように、内モンゴルでは、多くのモンゴル族の子ども達が小さい頃からモンゴル語と中国語のバイリンガル教育を受けており、民族教育が彼らに大きく羽ばたく翼を与えてきた。
革命戦争から現代化建設の新たな時代に至るまで、内モンゴル自治区の成長は、多くの優秀なモンゴル族幹部を生み出し、各職位で主要なポストを担当し、重責を担い、中堅となる役割を発揮してきた。モンゴル族の幹部である常志剛は、一般労働者からスタートして、その優れた人格と才能によって、自治区の共産主義青年団委員会書記、人力資源社会保障庁長官、バヤンノール市委員会書記へと組織によって育てられた。現在、全区でモンゴル族を主とする少数民族の省級幹部は全体の42%、地庁級幹部は34%を占めている。
アンダ・ユニオンは北米ツアーを7回、全英ツアーを3回、世界ツアーを400回余り行ってきた。これらモンゴル族の牧畜農家の子ども達は、音楽によって東洋と西洋の距離を縮め、文化によって現代の内モンゴルの美しさとモンゴル族の精神を表現している。
(新華社より)
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