新華網北京6月5日 米国のマティス国防長官と日本の稲田朋美防衛大臣は3日、シャングリラ会合で南中国海、台湾関連問題などについて意見を表明した。外交部の華春瑩報道官は4日、記者の質問に答えた際に、中国側の立場を言明した。
華春瑩報道官は、次のように表明した。中国側は米国と日本の関係者の無責任な発言に注目し、これに強い不満を示し、断固として反論する。ここに、いくつかの点を強調する。
第一に、中国は南沙群島及びその近くの海域で争う余地のない主権を保有していること。中国は南中国海の領土主権と海洋権益を断固として擁護すると同時に、直接の関係当事国とともに、交渉と協議を通じて紛争を平和的に解決し、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国ともに、南中国海の平和と安定を共同で擁護するために終始、尽力している。
中国は一貫して各国が国際法に基づき、南中国海で航行と上空飛行の自由を有することを尊重し、擁護しているが、少数の国が航行と上空飛行の自由を口実に、南中国海地域で武力を誇示し、中国の主権と安全に挑戦し、脅かすことに断じて反対する。
中国が南沙島礁で関係施設の建設を行う目的は、監視員の業務と生活条件を改善し、中国の主権をより十分に擁護し、中国が担う国際責任と義務を履行することだ。中国が自国の領土に必要な国土防御施設を配備することは主権の範囲内の事であり、主権国家が保有する自国の安全を保障する権利及び自衛権で、いわゆる「軍事化」と無関係だ。
地域における国家の共同の努力のもとで、南中国海の情勢は安定を取り戻し、ポジティブに発展する勢いを見せている。中国とフィリピンは仲裁案を含む南中国海問題への適切な対処について、共通認識に到達し、南中国海問題の二国間協議メカニズム第1回会議を開催した。中国とASEAN諸国は「南中国海行為准則」の枠組みで合意した。これは、中国とASEAN諸国による『南中国海各方面行為宣言(DOC)』に続く、実行面において効果的な地域ルールの具体的な努力になる。
この背景のもとで、少数の域外国家は執拗に時代の流れに逆行し、南中国海問題について次々と誤った内容を発言し、事実を無視し、黒白を混同し、完全に別の企み事を抱えている。中国側はこれに断固として反対し、関係方面に無責任な発言を止め、地域国家が南中国海の平和と安定を守るために払った努力を十分に尊重し、そのために建設的な役割を発揮するように勧告する。
第二に、中国と日本には東中国海において釣魚島の領土紛争や海洋境界線の問題が存在すること。釣魚島及びその付属島嶼は昔から中国の領土だ。中国政府の公用船が関連の海域でパトロールと法執行活動を行うことは、正当で合法的だと言える。中国が領土主権や海洋権益を擁護する決意と意志は揺るぎないもので、今後は関連のパトロールと法執行活動を引き続き展開していく。日本側の関連のやり方は事実を顧みず、サギをカラスと言いくるめ、 反駁する値打ちもない。中国側は、日本側に中日関係の改善と地域平和の安定のために建設的な努力を多く行うよう促す。
第三に、台湾問題における中国側の立場は明確で一貫したものであること。中国側は米国が一方的に制定したいわゆる「台湾関係法」に一貫して断固反対しており、米国側に一つの中国の政策と中米・3つの共同コミュニケの原則を遵守し、台湾への武器販売を停止し、すべての形式の公式交流と米台の実質的な関係の格上げを停止して、実際行動により中米関係の大局と台湾海峡の平和と安定を守るよう求める。
第四に、関係国による「THAAD」(サード=終末高高度防衛)システムの配備に反対する中国側の立場は明確で、一貫したものであること。我々は関係国が関連の配備プロセスを直ちに停止するよう促す。
(新華社より)