新華網北京6月2日(記者/劉莉莉)米国国防総省ミサイル防衛局(MDA)は5月30日、米軍は大陸間弾道弾(ICBM)をミサイル防衛システムで迎撃する実験に初めて成功し、その意義は重大で、米国の地上配備型中間段階防衛(GMD)の開発に向けた「重要な一里塚」になるとする声明を発表した。
米国メディアは米国の今回の実験は朝鮮に対抗することが主な目的と評じた。
朝鮮は5月30日、弾道ミサイルの発射実験を行ったと発表した。これは朝鮮が1カ月以内に実施した3回目の弾道ミサイルの発射実験になる。最近の発射実験は精密操縦誘導システムを導入し、キャタピラ式の移動式発射台から発射された。
米国は朝鮮は現在、ICBMを大気圏に再突入させる技術を完全に掌握していないが、進展しつつあり、将来的に米国の地上配備型中間段階防衛システムに挑戦する恐れがあると認識している。特に、米軍内部は朝鮮はICBMに小型化した弾頭を搭載するために努力を払い、十分に複雑な迎撃へのおとりを開発し、米国のミサイル防衛システムを打ち破る可能性もあると見ている。
経験豊富な軍事評論家、石江月氏は次のように分析する。今回の迎撃実験の成功によって、米軍は今後にかけて地上配備型迎撃システムの規模をさらに拡充する可能性が高い。トランプ政権が最近、議会に提出した2018年度の連邦政府予算報告書によれば、弾道弾ミサイルの防衛に割当てられた経費は79億ドルに上り、このうち、地上配備型中間段階防衛システムは15億ドルを占めている。
米軍は現在、アラスカ州のグリーレー基地に32基の地上配備型迎撃システムを配備し、ヴァンデンバーグ基地に4基配備している。国防総省ミサイル防衛局はさらに、アラスカ州に地上配備型迎撃システム8基を追加し、計44基にする方針を示している。
石江月氏はまた、米国シンクタンクの戦略国際問題研究センターは地上配備型迎撃システムを100基に増加することを提案しており、その時期が到来すれば米国のICBM防御能力は空前の水準に達すると述べた。
一方で、別の軍事専門家は次のように指摘する。ICBMの迎撃実験に成功したものの、米国のミサイル防御システムが技術的に完全に成熟していると立証するものではなく、且つ1回の実験の成功で、米軍の将来的な実戦に備えた十分な自己防衛を保証することはできない。米軍がこの前、実施した弾道ミサイルの迎撃実験の成功率は高くないこともその要因の一つだ。
(新華社より)
推薦記事: