〇最大の「モバイル決済都市」となった杭州
記者が杭州で丸1日過ごしてみた。タクシーに乗り、バスに乗り、野菜を買い、医者の診察を受け、友人と会食し、散髪する。これらのあらゆる消費行為が、スマホをかざすだけでできるのだ。
携帯端末の普及に伴い、モバイル決済という決済方式を選ぶ杭州市民は増加の一途をたどっている。統計データによると、杭州では、タクシーの98%、スーパー コンビニの95%、飲食店の50%がアリペイ決済に対応している。また、水道・電気 ガス料金、病院の診療代、交通違反の罰金など、杭州市民がアリペイを使って料金を納めることができる都市サービスは、50種類を上回っている。
アント・ファイナンシャル公共サービス事業部の劉暁捷 総経理は、「杭州市民がオフラインで費用を納めるサービスはほぼ全て、モバイル決済が可能となっている。杭州は今や、世界最大のモバイル決済都市であるといえるだろう」と話した。
〇都市全体に充満する「インターネット」の雰囲気
杭州市華星路のアリババ本社の近くに、中国初のインターネット金融ビルがあり、アント・ファイナンシャル、銅板街、恒生電子など著名インターネット金融サービス企業が軒並み入居している。
劉総経理は、「これほど多くのインターネット関連企業がここに集結し、インターネット関連製品が絶え間なく誕生していることで、インターネットの雰囲気がいっそう濃厚になっている。杭州は、インターネットと最も結びつきが強い都市だ」と感慨深げに述べた。
杭州師範大学アリババ商業学院の王淑翠 教授は、「杭州における情報経済の発展も、重要な原因の一つと言える。杭州は2015年、情報経済の発展とスマート応用の推進を同市発展の『1号プロジェクト』に確定した。杭州では今や、GDP成長に対する情報経済の寄与度は50%を上回っている」と指摘した。
「情報経済の発展によって、杭州では、インターネットが水道 電気 ガスと同じくインフラの一つとなった。杭州は、決済ツール、連携設備、インターネットシステム、安全保障などが完備されたモバイル決済システムを備えるに至った」と王教授。
キャッシュレス決済は、市民生活をさらに利便化すると同時に、杭州の信用度をいっそう高めた。モバイル決済を行うたびに、その各取引で信用が積み重ねられる。現在の杭州では、信用も「お金」として使えるようになった。4月23日、芝麻信用と杭州図書館が協力合意を取り交わし、600ポイント以上の芝麻信用ポイントを持つ市民は、デポジット不要で書籍を借りることができるようになった。
最近、杭州は「キャッシュレス社会」という道路の更なる発展を遂げた。4月18日、国連環境計画とアント ファイナンシャルの発起による「キャッシュレス連盟」が杭州で設立された。第1弾メンバー企業15社によって構成された同連盟は、低炭素型経営をともに提唱し、経営効率を高め、現金決済からキャッシュレス決済への転換を加速することを目指す。アント ファイナンシャルの井賢棟CEOは、「我々は、杭州での経験によって、全世界がキャッシュレス社会の方向に導かれるよう期待している」とコメントした。
(人民網日本語版)
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