中国国家発展改革委員会(発改委)の徐紹史主任は先ごろ記者会見で、2017年の生産能力削減に対する要求がさらに高まり、発改委が策定している2017年鉄鋼 石炭生産能力削減プランが近日発表されるとの見通しを示した。
中国の地方両会(人民代表大会と人民政治協商会議)が相次いで開かれるなか、多くの省が政府活動リポートに今年の鉄鋼と石炭の生産能力削減や「ゾンビ企業」の処理に関する目標を明示した。鉄鋼大生産地の河北省や石炭大生産地の山西省、内蒙古自治区は引き続き生産能力の削減に取り組む。アナリストは、供給側の生産能力削減が加速すれば、鉄鋼と石炭産業の生産能力の過剰な状況がさらに緩和され、価格の回復につながるとの見方を示した。
各省が相次いで両会を開き、政府活動リポートに今年の生産能力削減の具体的な目標を明記している。
最大の鉄鋼生産地となる河北省の政府活動リポートによると、2017年は製鋼の生産能力を1562万トン、製鉄を1624万トン削減する計画だ。廊坊、保定、張家口の鉄鋼生産能力を全て廃止し、承徳、秦皇島の生産能力を部分的に解消する。石炭の生産能力削減目標は742万トンに定めた。
石炭生産地の山西省は政府活動リポートで、2017年は生産能力削減を着実に進め、石炭の生産能力を2000万トン前後、鉄鋼を170万トン削減する方針を示した。
黒龍江省は石炭の生産能力を1010万トン、製鋼生産能力を610万トン減らす。遼寧省は生産能力が9万トン未満の炭鉱179カ所を閉鎖し、生産能力9万以上の炭鉱には安全生産条件の履行を義務付ける。吉林省は15万トン以下の炭鉱廃止を進め、石炭生産能力を314万トン削減。通鋼集団の製鉄生産能力を80万トン削減するほか、亜泰水泥などの企業の縮小再編を後押しし、セメントクリンカーの生産能力を500万トン減らす。
内蒙古自治区は鉄鋼55万トン、石炭120万トンの生産能力削減を目指す。河南省は石炭生産能力2000万トンを削減。雲南省は石炭の生産能力を154万トン減らす。
鉄鋼と石炭以外にも、河北省などが2017年のセメント、板ガラス、電力産業の生産能力削減目標も明示した。
華泰証券は、公表された目標水準をみると、鉄鋼や石炭の大規模生産地を持つ地方の生産能力削減が減速しない見通しで、その動きが中央経済活動会議で打ち出された「鉄鋼と石炭産業の過剰な生産能力の解消を続ける方針」に合致すると指摘。供給側の生産能力削減が加速するなか、鉄鋼と石炭産業の生産能力が過剰な状況がさらに緩和し、価格の回復につながるとの見方を示した。
(チャイナネット)
関連記事: