秋の就職活動シーズンがやって来た。各大学の卒業生は火のように燃え上がる就職戦線に積極的に身を投じている。人力資源・社会保障部(省)と教育部(省)がこのほど共同で発行した「大学卒業生の就職・起業促進計画の実施に関する通知」では、大卒者の就職・起業の取り組みをさらにしっかりと行うための計画がうち出された。今年は1995年以降に生まれた(95後)大卒者が初めて就職戦線に登場した年になる。人民日報が伝えた。
▽履歴書が多様化
このほど江蘇省南京市で開催された2017年の大学卒業生向けに公的機関が開催した就職説明会では、履歴書にネットゲームの戦績や淘宝(タオバオ)の出店歴を書いた「95後」が企業側に好感をもたれたことが注目を集めた。
湖南大学工商管理学院の4年生 趙丹さんは、「私の周りでもそういうケースがあった。以前、通信販売プラットフォーム企業の面接に行った時、履歴書に淘宝での出店経歴を書いている女子学生がいて、店舗の開店時間、経営業務、売上実績などをずらりと並べていた。同級生でいつもネットゲームばかりしている女子学生は、ゲーム会社に応募した際、自分とゲームとの深い関わりを履歴書につづっていた」と話す。大学の学生募集と就職指導の部門で学生スタッフも務める趙さんは、「今、学生の履歴書は多様化が進んでおり、雇用先の特徴と需要に応じてアレンジを加え、自分の興味嗜好や特徴を際立たせている」と説明する。
人的資源の専門家で江蘇百得人力資源集団の副社長を務める姜文さんは、「大卒者は就職活動の中で、他の人とは違う自分の趣味嗜好や過去の経歴をほどよく目立たせるようにしており、履歴書もより『魅力的』になっている」との見方を示す。
▽都市の選択に広がり
モバイルインターネットの就職プラットフォームが発表した「2016年大卒者就職競争力報告」をみると、大卒者のうち一線都市の北京、上海、広州、深センでの就職を望む人は36%にとどまり、3年前の51%から大幅に減少した。一方、杭州、南京、成都、武漢などの「新一線都市」は人材を呼び込む力が急速に高まっている。
趙さんは、「確かに『新一線都市』を志向する学生は多い。自分なら、都市の今後の発展の見通しをまず考える。自分は東北出身だが、南方で働きたいと考えている。たとえば長沙は、ここで数年間勉強して、都市の活力というものを感じている。就職先としては悪くない選択だと思う」と話す。
▽起業精神を歓迎
「大衆による起業 革新(イノベーション)」ブームの高まりとともに、大卒者にとって起業も選択肢の一つになった。今年7月にQQブラウザが発表したビッグデータ報告をみると、「95後」の15%以上が起業を考えており、インターネット、ハイテク、農業 養殖などが興味のある起業の分野となっている。しかしこのほど取材した数人の大卒者の話によると、「身近な同級生で就職活動をせずに起業に踏み切った人はいない。ベンチャー企業に応募した人が何人かいるだけだ」という。
清華大学経済管理学院の張幃准教授(清華x-labの起業代表と学術代表を兼任)は、「起業には優れたチャンス、資源、チームが必要だ。一般的に言って、本科生(4年生大学学部生)が卒業後にすぐ起業するケースは少なく、修士や博士になると相対的にやや多くなる程度だ。このような状況なので、大学で革新起業教育が十分に行われれば、学生の就職活動にとって積極的なサポートになるだろう」との見方を示す。
また張准教授は、「アリババ(阿里巴巴)や中興通訊などの大企業は、起業のトレーニングを受けた学生、起業にトライしたことのある学生を採用したがる。こうした人材には突破力と革新の意識があり、チームでの共同作業もよくわかっていると考えられるからだ」と指摘する。
(人民網日本語版)
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