日本メディアの報道によると、今年初めに日本の電子大手シャープが台湾地区の企業に買収されたのに続き、パソコン大手の富士通も業績不振によりパーソナルコンピューター(PC)事業が中国の聯想集団(レノボ)に買収される見通しとなった。日本紙「日本経済新聞」の8日付報道によれば、聯想と富士通は協議を進めており、日本政策投資銀行の出資を得られる見込みで、10月中の合意を目指しているという。「環球時報」が伝えた。
報道によると、この買収案件には2つのプランがあり、1つは聯想が主導する合弁会社を設立して富士通のPC研究開発製造部門を引き継ぐというもの。もう1つは聯想が富士通のPC事業子会社に出資して、出資比率を50%以上とし、持株会社化するとともに人事権を握るというもの
聯想は2011年に日本電気株式会社(NEC)と提携し、日本PC市場で首位に立った。昨年のシェアは26.3%に達しており、今後シェア2位の富士通(16.7%)の買収に成功すれば、聯想は日本PC市場で40%を超えるシェアを獲得することになる。英国紙「フィナンシャル タイムズ」は、「聯想はすでに世界最大のPCメーカーでありながら、さらに合併買収(M&A)を進めるのはスケールメリットをさらに拡大し、コストを削減したいからだ」と指摘する。
モバイルスマート設備の発展にともない、日本のPC市場は縮小を続けている。これに大陸部や台湾地区のメーカーによる挑戦が加わり、富士通のPC事業は昨年には100億円を超える損失を出した。富士通は以前、日本の東芝とPC事業の統合を検討していたが合意に至らなかったため、このたび聯想との提携に踏み切った。
日本のPC市場は今後、1つの中国企業に主導されるようになる可能性がある。「フィナンシャル タイムズ」は、「こうした可能性は日本側の世論の関心と危機感を容易に呼び起こす。なんといってもこの分野はかつて日本メーカーの天下だったからだ」と報じる。「日本経済新聞」は、「レノボは、……政府系金融機関の活用で、(富士通が)中国資本のレノボ傘下になることへの抵抗感をやわらげる思惑もありそうだ」と伝える。日本政策投資銀行の資金力と事業再編の経験を利用して買収を進めると同時に、政府系金融機関を利用することで反対する力を弱めることを狙うのだという。だが業界関係者は、「PC分野の現在の技術や市場の情況をみると、レノボが買収しようとしているのは高度成長が見込める分野ではなく、中核事業でもない。実際には日本企業の事業調整を助けて、より成長性が高く、科学技術面での発展が見込める分野への投資を後押しするのだといえる。今回の提携にはウィンウィンの基盤があり、大きな反対にあう可能性は低い」との見方を示す。
(人民網日本語版)
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