科学界ではこれまで、人類には甘味・塩味・酸味・苦味、それから7年前に追加されたうま味という五味しか存在しないとされてきた。ところが研究者は現在、この五味の他に、人類は「でんぷん」の味が分かるとしている。これは人類の炭水化物への渇望を引き起こす原因を解釈できるかもしれない。参考消息網が伝えた。
この研究を担当したオレゴン州立大学の林集雲(音訳)准教授(食品科学・技術学)は「人類の味覚は、パスタ、じゃがいも、パンなどに含まれる炭水化物を感知できる」と述べた。
「6つ目の味覚」に関する理論を研究するため、林氏の研究チームは溶液に含有量の異なる炭水化物を加え、これを被験者22人に与え、試飲後に評価してもらった。
林氏は「彼らはこの味を、でんぷん味と呼んだ」と述べた。
多くの科学者はこれまで、人類は炭水化物に含まれる糖分しか感じることができないとしていた。人の唾液に含まれる消化酵素が、でんぷんを麦芽糖に分解するため、味蕾は最終的に甘みしか感じないというのだ。
ところが実際には、研究者が消化酵素と甘みを抑制する化合物を加えても、被験者はでんぷんの味を感じることができた。これは人類が、でんぷんが糖に分解される前に、その味を感じることができるということだ。
「でんぷん味」は一体どんな味かという点については、林氏は「アジア人にとってはお米の味に似ているが、欧米人からするとパンやパスタの味かもしれない」と説明した。
しかし、林氏はまだでんぷん味を感じる味蕾を舌に見つけられなかった。つまりこの味はまだ、主な味覚の一つとして定義づけられないということになる。だが林氏は、人類がこの味を感じることができるのは有益だとしている。なぜなら炭水化物は理想的なカロリー補給源だからだ。
林氏は「これが複合炭水化物が好まれる原因だと考える。糖は短期的な食感が優れているが、チョコレートとパンを配られたならば、チョコレートを少しかじり、パンを大量に食べることで、日常生活の主食にすることだろう」と話した。
(人民網日本語版)
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