パンダが依然として「絶滅の可能性が高い」かどうかについて、国際自然保護連合(IUCN)と国家林業局は異なる見解を持つ。しかしパンダが依然として厳しい生存の危機に直面している点においてはその見解が一致している。科技日報が伝えた。
IUCNは北京時間5日、世界の絶滅危惧種の「レッドリスト」のうち、パンダの評価を「絶滅危惧種(EN)」から「危急種(VU)」に引き下げた。最新の調査結果によると、中国の野生のパンダは1864頭に達し、10年前より17%弱増えている。IUCNは、パンダの減少傾向が抑制されており、中国政府のパンダ保護の努力が功を奏していると評価している。
国家林業局は5日、この評価引き下げについてコメントし、IUCNの報告は関連データと技術指標に基づくもので、理論的に判断を下していると指摘した。国家林業局はパンダ保護 管理部門として、実際の活動状況と保護情勢に注目している。パンダは依然として絶滅の恐れがある生物の種であり、絶滅危険度引き下げは時期尚早だと指摘した。
国家林業局は「生息地の分散化は、依然としてパンダの生存を脅かす中心的要素であり、一部地域の群れはなおも生存のリスクに直面している。生息地の分散化の影響を受け、各地で暮らすパンダの群れの遺伝子交流が遮られている。これに地域および管理体制の影響が加わり、群れの交流状況の改善が必要となっている」と表明した。
IUCNも「気候変動の影響により、パンダの生存に必要な竹林の3分の1が、今後80年間で消滅するだろう」と警告しており、国家林業局はこれはパンダの生存に予測不可能な影響を及ぼすとしている。
国家林業局は「絶滅危険度を引き下げ、保護活動に怠慢と緩みが見られれば、パンダの群れと生息地は不可逆的な損失と破壊を被り、すでに手にした保護の成果もすぐに失われるだろう。特に一部地域の小さな群れは、いつでも絶滅する可能性がある。パンダの絶滅の危険性を強調し続けることは、決して誇張ではない」と強調した。
(人民網日本語版)
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