実質は政治目的
安倍首相は今回の会談で経済協力への強い意向を示したが、アナリストはその背後にある本当の目的は政治問題にあると指摘する。
第一に、日本は経済上の利益を利用し、ロシアの領土問題への譲歩と取り換えたいと考えている。
日本メディアは安倍首相の今回のロシア訪問は経済を突破口に、領土と平和条約の問題を進展させることが狙いだと報じている。時事通信社は安倍首相周辺の関係者の話を引用し、領土問題は憲法改正と同様に、残された「政治遺産」のために安倍首相が解決に尽力する最重要課題だと伝えた。
第二に、日本はロシアとの関係を発展させることで、中国への牽制を意図している。
中国とロシア両国は最近、政治と安全保障分野の緊密な協力によって、日本に不安を抱かせている。モスクワ国際関係学院外交教研室のパノフ主任は中日関係が緊張しているため、安倍首相にとって、ロシアと中国が団結して日本に反対するのを阻止することが極めて重要だと指摘する。
企ての実現は困難
日本は懸命にロシアを引き入れようとしているが、専門家は経済協力を政治的利益と取り換えようと企む安倍首相の目的は実現し難いと捉えている。
事実上、日本とロシアの経済貿易協力は、長期的に低水準にあり、ロシアは現在、日本の貿易相手国ランキングで15位で、日本とロシアの貿易額は日本の対外貿易総額の1.6%を占めるに過ぎない。原料価格が下落し、ルーブルの通貨価値が下がるなどの要因から影響を受けて、両国の二国間貿易額は2015年同期比で31%減少し、今年上半期に前年同期比でさらに36%減少した。
さらに重要なことは、ロシアは領土問題で譲歩する考えはないことだ。2日の会談で、安倍首相とプーチン大統領は平和条約問題について討論したが、双方はいかなる具体的な共通認識も得ていない。
(新華社より)
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