潘氏は「こうすることで、衛星打ち上げを妨げる要素を取り除き、数千キロの量子通信が実現可能になった。量子衛星があれば、マクロな距離でいわゆる量子力学の非極限性、つまり遠隔怪作用を検証できる。実験室内で繰り返し確認されている理論が、宇宙でも実現できるかを調べることが可能だ」と述べた。
◆実験内容は?
量子衛星は主に衛星 地上間の高速量子暗号通信実験、広域量子通信ネットワーク実験、衛星 地上間の量子もつれ通信実験、衛星 地上間の量子テレポーテーション実験という4つの科学実験を行う。うち衛星 地上間の高速量子暗号通信実験は、衛星から地上に暗号を伝送することで、衛星と地上間の量子暗号を軸とする機密通信試験を実現する。量子暗号の生成後、双方は機密通信が可能になる。この過程はすでに原理上、絶対に盗聴できず、暗号を解除できないことが証明されている。そのため通信の全過程が無条件で安全になる。
◆15年後に一般家庭に普及か
潘氏は、量子通信は電話の普及と同じく、徐々に、大々的に広まると予想している。「量子通信はまず、国防 金融 行政 科学研究などに利用され、その後は一般人に広く利用される」と語った。
潘氏は個人的な意見として、量子通信技術の普及に関する、次のような「タイムスケジュール」を示した。約5年後に多くの機密部門で使用開始され、約10年後に金融業や銀行などの大手機関で使用開始され、15年後に一般世帯に進出する。「すべての家、携帯電話に、量子暗号チップが内蔵されるようになるかもしれない。口座振替、電子口座などの機密に関する操作で、盗用もしくは攻撃を懸念する必要がなくなる。量子ネットワークの構築後、人々はすべての情報漏えいを懸念する必要がなくなり、悪意ある攻撃や詐欺行為も回避できるようになる」という。
(人民網日本語版)
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