海外旅行を楽しむ中国人客の増加に伴い、海外でのショッピングの意欲も近年高まり続けている。「爆買い」は中国人客の基本的なニーズになっている。海外の大型免税店で、中国人客は最大の消費者グループだ。人民日報海外版が伝えた。
中国人が海外での消費に意欲的な理由はさまざまだが、最も中心的なのは価格差だ。中国人客の消費の熱意を、国内に留めるにはどうするべきか?中国の免税事業の大々的な発展が、重要な活路となる。
◆観光+免税
免税店でショッピングと言えば、空港のDFSやサンライズなど外資系免税店を想像するだろう。しかし実際には、中国国内にも中国の免税店が存在する。
筆者の調べによると、吉林省長白朝鮮族自治県中朝国境通関地、広東深セン沙頭角通関地、広西北海客運駅、福建泉州南安石井客運駅、天津港客運駅、上海フェリー港客運センター、海南三亜国際免税城、西藏ラサ空港などに、中国免税品(集団)有限責任公司(以下、同社)の免税店が設置されている。
同社は1984年創業の、国務院から認可され全国範囲で免税事業を展開する、唯一の国有専業会社だ。
中国の免税店は海外と比べ、どのようなメリットを握っているのだろうか?同社の責任者は取材に対し、「当社は世界で免税店の種類が最も豊富な、単一国での免税店の数が最多の免税事業者で、世界300社以上のトップクラスのブランドと長期的な提携関係を構築している」と説明した。
親会社・国旅集団の観光資源を利用し、同社は「観光+免税」という斬新なマーケティングモデルを構築した。免税ショッピングと観光産業を十分に結びつけることで、観光・免税ショッピング産業内部のアップグレードと統合、全産業チェーンの共同発展を実現し、顧客が斬新な観光ショッピングの体験を楽しめるようになる。
◆免税店が海外進出、消費の回帰をけん引
中国人客の海外旅行増加に伴い、中国の免税店も海外進出し、海外消費の中国回帰を促している。
同社はカンボジアのシェムリアップとシアヌークで免税店2店を開業した。これは中国が初めて海外で開業した免税店だ。免税商品の価格は、外の市場価格を15−35%下回り、香港や周辺諸国の免税価格を上回らない。
カンボジア免税店の顧客源は中国、マレーシア、韓国、日本、ベトナム、タイ、シンガポール、欧米などだ。うち中国人客が最も多く、売上全体の9割以上を占めている。同社の責任者は、「免税店は中国から進出した企業であるため、我々には中国人客のニーズを理解しているという強みがある。店内の販売員は流暢に中国語を話し、中国人客は店内で買い物中に言葉の問題を心配しなくてもいい」と説明した。
同社は8月、プノンペンにカンボジア3店舗目の免税店を開業する。同社の責任者は、「カンボジアは当社の海外事業展開の重要な一歩に過ぎない。当社は中国人客が集まる国と地域に多くの免税店を開き、中国人客により良い免税ショッピングの体験をもたらしたい」と語った。
(人民網日本語版)
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