日本の差別は世界でも珍しい
英オックスフォード大学ロイター ジャーナリズム研究所の元責任者のパディ カート氏は取材に対して、「日本社会では昔から、女性をモノのよう扱う意識が存在する。日本の男性は依然として、女性は結婚後、男性や家族のモノと考えており、結婚を望まない女性が増える原因となっている。さらに日本の新生児の数は毎年減少している」と指摘した。
日本のNHK国際部デスクの編集長である玲子さんは、「彼氏と10数年付き合っているが、結婚はいまのところ考えていない。結婚すれば、名字が必ず変わる。そうなると、私が以前に発表した論文や法律文書など、全て名前を変えなければならない。複雑で面倒な作業で、時間をかけて他の人に説明もして、結婚前の私が結婚している私であることを証明しなければならない」と肩を落とした。
家庭の側面から見ると、日本の女性は夫を「主人」と呼び、ほとんどの女性が夫の名字に変わる。女性は家庭の「付属」のような地位なのだ。日本の厚生労働省が2014年に発表した白書によると、日本の専業主婦の数は720万人以上。これらの主婦の生活は夫や子供を中心に回り、医療保険や年金なども夫に付随する。
法律的側面から見ると、日本の民法第750 条に「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」とある。妻が夫の名字に変わるのが伝統という国も多いが、法律でそれを定めている国となると、非常に珍しい。その他、日本政府は今月8日、女性の再婚禁止期間を離婚後6カ月から100日に短縮する民法改正案を閣議決定した。しかし、男性の再婚には、時間的制限はない。これも、大きな女性差別と見なされている。
仕事という側面から見ると、日本は第2次世界大戦後、「男女平等」を憲法で定めているにもかかわらず、実際は散々たるものである。15年、日本国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、民間企業に1年間を通じて勤務した人の1人当たりの平均給与は、男性が511万3千円だったのに対して、女性は271万5千円にとどまった。また、日本の厚生労働省の14年の統計によると、働く女性が第一子を妊娠した後に、育児休暇を取得して復職できた割合は正社員でも43.1%にとどまった。その他、今月1日、同省が発表した調査では、女性社員の28.7%がセクハラを受けたことが「ある」と答えた。