「一带一路画敦煌」塗り絵ブックシリーズ。
塗り絵ブックの製作は、敦煌研究院にとって初の試み。カメラマンが最近、特別に用意したカメラで敦煌の壁画の写真180枚を撮影し、同研究院はそれらの解像度の高いデジタル画像を利用して、塗り絵を作成。11人がかりで1カ月で完成させた。
その他、故宮出版社も今年5月までに「紫禁城」をテーマにした塗り絵ブックシリーズ(計3冊)を出版する計画。「古代建築の彩色画、貴重な器、服や髪飾りなど紫禁城に眠る美しい模様に付けるのは色だけでなく、それ以上に文化なのだ」となる。
大事なのはストレス解消?学習?
伝統文化と塗り絵ブックの組み合わせという新たな発想には、他の意図もある。
人気塗り絵ブックの中国版の編集者 袁小茶氏は、「15年に塗り絵ブックブームが起こったが、これは外国色が濃かった。中国版というのは、『出版界のアディダスの中国における代理生産のようなもの。多くの人は、『ひみつの花園』のスコットランドのムードを覚えているだろう。また、『The Creative Coloring book for Grown-ups』の心理学者 カール グスタフ ユングを覚えているだろう。でも、中国の出版社が代理生産していることは誰も気にしていないだろう」と語る。
このような状況であるため、出版社はその視点を宝の山である伝統文化のリソースに向けた。「ひみつの花園」の中国語版の出版社である、後浪出版公司アートグループグループ長の蒋天飛氏は、「中国には昔から伝わるとても良い図案や模様がたくさんある。しかし、それらはあまり開発されてこなかった。敦煌の壁画や故宮などは、塗り絵ブックブームに乗って、自分の『ひみつの花園』を開発した。これにより、伝統文化の継承と発展ができるだけでなく、塗り絵ブックの種類も豊富になる」と語る。
海外の塗り絵ブックと違い、中国の塗り絵ブックはストレス解消を強調するのではなく、文化や知識の習得にウェートを置いている。しかし、現代出版社の編集員 崔暁燕氏は、「塗り絵ブックの一番の意義はやはりストレス解消。学習が最重要ではない。勉強のためでなく、遊ぶために色を付ける。そして、知らないうちに、そこから知識を得ているということ」と説明する。
(人民網日本語版)
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