電気自動車の最大の欠点は充電がすぐにできないこと、航続距離が決まっていることだった。そして今、低気温でこうした欠点がより一層顕在化した。北京郊外の地域タクシーは新エネルギーを利用した電気自動車を多く走らせている。通州区をよく走るという運転手は電気自動車に乗っており、「メーカーの言う航続距離は200キロメートルだが、実際に普通の状況で1回充電した場合、せいぜい150キロメートルから160キロメートルほどしか走れない」と話す。
こうした問題は価格の安い国産電気自動車にだけみられるわけではない。海外の報道によると、電気自動車で一番勢いがある米テスラモーターズは、気候が寒冷な北欧のノルウェーで、多くのオーナーから充電と航続距離に問題ありと指摘されているという。
<原因を探る>
実際、携帯電話でもカメラでも電器自動車でも、寒さで性能に影響が出るのは本体ではなく内蔵されたバッテリーのリチウム電池だ。リチウム電池は「虚弱で寒さに弱く」、搭載した電子機器は低温の環境で正常に動かなくなることがある。
リチウム電池の動作原理はこうだ。リチウムイオンが電池内部の電解質を通じて正極と負極を行き来して充放電が行われる。低温の環境では電解質の動きが緩慢になって正負極間の行き来のスピードが落ち、電池の充放電の性能が低下する。簡単にいうと、低温の環境ではリチウムイオンはバッテリーがまだあっても、正常に放電できなくなるということだ。データを分析すると、普通のリチウム電池は0度で容量が20%減少し、マイナス10度になると半分ほどになってしまうという。
アップルが公式に発表したデータによると、「iPhone」(アイフォーン)を使用する際の適正な温度は16~22度で、正常に使用できる温度は0~35度、放置できる温度はマイナス20~45度だ。いくつかの携帯電話の説明書をみると、温度についてはiPhoneと同じような注意書きがある。カメラは0~35度の環境で使用するようにとあり、0度以下、35度以上の場合は正常に使用できなくなるおそれがあるとしている。