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春節の「帰省恐怖症」 帰省の何を恐れているのか?
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2015-12-25 19:57:59 | 人民網日本語版 | 編集: 张一

  春節(中国の旧正月。2016年は2月8日)がだんだんと近づき、帰省切符の争奪戦も白熱化している。家族や親せきが集う春節がまた巡ってきた今日この頃、故郷に帰る切符が「1枚さえも手に入らない」状況に頭を悩ませる人がいる一方で、毎年起こる「春節の苦悩」がまたやって来るのかと、複雑な思いを抱える人も少なからずいるようだ。中国新聞網が伝えた。

  中国の伝統文化において、春節は一家団欒を意味する。しかし近年、「帰省恐怖症」という新たな単語が、春節が来るたびに注目を集めるようになった。故郷が近づくほど気持ちが落ち着かなくなる――。故郷を離れて奮闘している彼らは、帰省を前にいったい何を恐れているのだろうか?

  〇「結婚の催促」が怖い:1980年代生まれの若者にとって春節の帰省で絶対に避けられない難関

  浙江省出身で「85後」(1985年~1989年生まれ)の龔帥さんにとって、帰省が憂鬱な原因は、自分がまだ独身であることだ。彼は、今年も春節に帰省すれば、家族から結婚を催促されることは絶対に避けられないと感じている。彼が大学を卒業したばかりの数年前は、独身で帰省しても、別段恐怖を感じなかった。だが、年を取るにつれ、結婚を催促される圧力はだんだんと大きくなった。今年、家族は彼のために数回のお見合いを設定しているため、彼は絶体絶命のピンチに立たされたという。

  龔帥さんは、膨大な数の独身族のひとりにすぎない。彼と同様、結婚の催促に押し潰されそうな若者は増える一方だ。そして。家族が集う春節が来るたびに、「帰省恐怖」は彼らに共通した心理状態となっている。

  〇「お年玉催促」の恐怖:もはや100元のお年玉は渡せない?

  独身族にのしかかる「結婚の催促」という形のない圧力とは別のストレスに脅かされる「帰省恐怖族」がいる。これは、実際の「現金」という存在であり、現実に存在する「お金」という圧力だ。

  「春節が来るたびに、お年玉催促という手痛い攻撃に遭う!」―北京のカルチャー関連企業で働く楊慧さんは、春節の「お年玉」という「凶暴な攻撃」に、毎年痛い目に遭っている。楊慧さんと夫は、今年の春節、四川に帰省したが、家族・親戚が多く、特に子供がたくさんいるため、「年越し予算」2万元(1元は約18.6円)のうちほとんどがお年玉に消えたという。

  某メディアが昨年の春節に「お年玉」に関する調査を行ったところ、回答者102人のうち4割以上が、「春節中に総額1千元以上のお年玉をあげた」と答えた。

  〇「収入比較」の恐怖:「負け組」であることの恐怖におののく若い人

  某メディアが昨年末、「今年の春節は実家に帰省しますか?」というオンライン調査を実施した。その結果、「帰省しない」と答えた回答者が約3割を占めた。だが、驚くべきことに、「帰省しない」と答えた人のうち、その理由として、「自分は『負け組』なので、帰省したくない」とした人が10.1%に上った。

  「負け組である自分は、春節に帰省してもメンツを保てない」-杭州で働く福建出身の鄭潔さん(女性)は、このような悩みの持ち主だ。

  鄭潔さんは、次のとおり打ち明けた。

  同い年の親しい友人の中には、故郷で商売を営み、かなりの高収入を得ている人がいる。昔、勤め人である私たちがまだ安月給だった頃は、羽振りの良い一部の友人から蔑視されることはなかった。だが、私たちの月給が7千元を上回るようになっても、友人たちの果てしないお喋りを聞くと、今の私たちの仕事は大したものではないことを痛感させられる。

  「今年の帰省でも、家族にとやかく言われることは十分に想像できる」と鄭さんは続けた。

 

(人民網日本語版)

 

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新華網日本語

春節の「帰省恐怖症」 帰省の何を恐れているのか?

新華網日本語 2015-12-25 19:57:59

  春節(中国の旧正月。2016年は2月8日)がだんだんと近づき、帰省切符の争奪戦も白熱化している。家族や親せきが集う春節がまた巡ってきた今日この頃、故郷に帰る切符が「1枚さえも手に入らない」状況に頭を悩ませる人がいる一方で、毎年起こる「春節の苦悩」がまたやって来るのかと、複雑な思いを抱える人も少なからずいるようだ。中国新聞網が伝えた。

  中国の伝統文化において、春節は一家団欒を意味する。しかし近年、「帰省恐怖症」という新たな単語が、春節が来るたびに注目を集めるようになった。故郷が近づくほど気持ちが落ち着かなくなる――。故郷を離れて奮闘している彼らは、帰省を前にいったい何を恐れているのだろうか?

  〇「結婚の催促」が怖い:1980年代生まれの若者にとって春節の帰省で絶対に避けられない難関

  浙江省出身で「85後」(1985年~1989年生まれ)の龔帥さんにとって、帰省が憂鬱な原因は、自分がまだ独身であることだ。彼は、今年も春節に帰省すれば、家族から結婚を催促されることは絶対に避けられないと感じている。彼が大学を卒業したばかりの数年前は、独身で帰省しても、別段恐怖を感じなかった。だが、年を取るにつれ、結婚を催促される圧力はだんだんと大きくなった。今年、家族は彼のために数回のお見合いを設定しているため、彼は絶体絶命のピンチに立たされたという。

  龔帥さんは、膨大な数の独身族のひとりにすぎない。彼と同様、結婚の催促に押し潰されそうな若者は増える一方だ。そして。家族が集う春節が来るたびに、「帰省恐怖」は彼らに共通した心理状態となっている。

  〇「お年玉催促」の恐怖:もはや100元のお年玉は渡せない?

  独身族にのしかかる「結婚の催促」という形のない圧力とは別のストレスに脅かされる「帰省恐怖族」がいる。これは、実際の「現金」という存在であり、現実に存在する「お金」という圧力だ。

  「春節が来るたびに、お年玉催促という手痛い攻撃に遭う!」―北京のカルチャー関連企業で働く楊慧さんは、春節の「お年玉」という「凶暴な攻撃」に、毎年痛い目に遭っている。楊慧さんと夫は、今年の春節、四川に帰省したが、家族・親戚が多く、特に子供がたくさんいるため、「年越し予算」2万元(1元は約18.6円)のうちほとんどがお年玉に消えたという。

  某メディアが昨年の春節に「お年玉」に関する調査を行ったところ、回答者102人のうち4割以上が、「春節中に総額1千元以上のお年玉をあげた」と答えた。

  〇「収入比較」の恐怖:「負け組」であることの恐怖におののく若い人

  某メディアが昨年末、「今年の春節は実家に帰省しますか?」というオンライン調査を実施した。その結果、「帰省しない」と答えた回答者が約3割を占めた。だが、驚くべきことに、「帰省しない」と答えた人のうち、その理由として、「自分は『負け組』なので、帰省したくない」とした人が10.1%に上った。

  「負け組である自分は、春節に帰省してもメンツを保てない」-杭州で働く福建出身の鄭潔さん(女性)は、このような悩みの持ち主だ。

  鄭潔さんは、次のとおり打ち明けた。

  同い年の親しい友人の中には、故郷で商売を営み、かなりの高収入を得ている人がいる。昔、勤め人である私たちがまだ安月給だった頃は、羽振りの良い一部の友人から蔑視されることはなかった。だが、私たちの月給が7千元を上回るようになっても、友人たちの果てしないお喋りを聞くと、今の私たちの仕事は大したものではないことを痛感させられる。

  「今年の帰省でも、家族にとやかく言われることは十分に想像できる」と鄭さんは続けた。

 

(人民網日本語版)

 

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