中国の独居世帯の数は近年大幅に増加しており、独居世帯が全国に占める割合は1990年の6%から2010年には14%に上昇した。国家統計年鑑によると、2013年には同割合が14.6%に達している。独居世帯の割合が全国で最も高いのは上海市で、4世帯に1世帯が一人暮らしだという。西安晩報が伝えた。
▽家族構造の変化で独居老人が増加
第6回国勢調査によると、2010年、高齢者が「単独」 「夫婦のみ」で暮らす割合は高齢者世帯全体の約半数に達し、高齢者の7割が子どもと同居していた20年前とは大きく変化した。遼寧省、山東省、江蘇省、広東省、上海、浙江省の6つの東部都市では、75歳以上の独居老人が特に多かった。
人口の移動、都市を跨ぐ就業、多世代家族の減少、都市化の発展などが、中国で独居者の数が急増する原因となっている。こうした問題に直面し、多くの地方が独居老人問題の解決に積極的に取り組み始めている。
河南省の中でも高齢化が進んだ地域である開封では、現地の民政部門が「在宅介護サービスセンター」プロジェクトの試行を実施、コミュニティ内の独居老人にサービスを提供している。同センターにはラウンジ、絵画室、麻雀ルーム、演劇ルームなどが設けられ、さらに当番の医師が勤務している。
このほか、多くのコミュニティが独居老人向けの様々なサービスを提供している。油坊コミュニティの「ドアノック」サービスは、コミュニティの職員が毎日定時に独居老人の家のドアをたたき、返事があるかどうかを確認するというもので、興味深い取り組みと言える。同コミュニティはこのほか、独居老人ボランティアサービスチームを結成し、高齢者の様々なニーズに応えている。