日本とフィリピンの両政府は11月中に、大型鉄道プロジェクトについて20億米ドル規模の円借款契約に調印する見込み。両国の円借款協議としては最大規模となり、アジアのインフラ建設ブームが新たな段階に入ったことを意味する。ブルームバーグが6日に報じた。
アジアを舞台に中国と日本が、道路や港湾、鉄道の改修・建設向けに巨額の資金提供を表明している。中国が25年ぶりとなる経済成長率鈍化の局面を迎えるなか、新たな成長エンジンを求めるアジア各国にとって、こうしたインフラ整備事業は成長促進につながる。
だが、アジアでインフラプロジェクトを推進するにあたって、汚職や管理不足、厳しい地理的条件、複雑な土地所有関係など、多くの問題が立ちはだかっている。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は9月2日、ジャカルタでの講演で、「アジアのガバナンス改善には、透明性の高い規則と汚職を許さない態度が必要」だと述べた。