中国検索最大手の百度が中途採用を凍結するというニュースが20日、微信(WeChat)のソーシャル機能 モーメンツを駆け巡った。百度は20日、従業員に宛てた通知の中で、中途採用を停止することを明らかにした。特殊な人材ニーズがある場合のみ、百度の李彦宏CEOと人事部門の劉輝副総裁の認可を得て、採用することができるという。証券日報が伝えた。
同日夜、百度はメディアに対して同情報が正しいことを認めた一方で、「中途採用は停止するが、新卒採用は期日通り実施する」と強調した。李CEOも、まもなく復旦大学での就職説明会に参加する予定となっている。百度は、「採用の重点を新卒採用に移す。最も優秀なトップ人材を吸収することに重点を置きたい」と表明した。
2000年の設立から15年間、百度は絶えず業務規模を拡大してきた。近年の急速な発展に伴い、百度の従業員は今や5万人以上となり、BAT(百度、アリババ、テンセント)の中で最も多くの従業員を抱える企業となった。ちなみに、アリババと騰訊(テンセント)の従業員数はいずれも3万人前後となっている。業務をこのまま拡大しないのであれば、5万人という従業員数は百度にとってやや負担と言える。採用の重点を移すことは、百度の人材構造の柔軟な調整に向けた試みでもある。
百度は中途採用の停止について、「組織の効率をより一層高めるため」としているが、香頌資本の沈萌 執行役員は「インターネット大手が直面する環境がますます過酷になっていることの表れ」と指摘する。
もう1つの大手企業、アリババもこのほど、グループ内の人材戦略の調整に伴い、2016年度の新卒採用定員を削減すると表明、採用予定人数をこれまでの3千人あまりから4百人前後に大きく減らした。
沈氏は「第3四半期のGDPが7%を切った。これは、中国の経済成長が減速し、中高速の『新常態』にあることを中国政府が正式に認めたことを意味する。これによって、バブルが抑制され、世界経済が低迷する中、資本市場と実体経済が全面的に衰退し、インターネット大手を含む中国企業にも大きな圧力がもたらされる。インターネット大手が投資した新インターネット企業も、ほとんどが投資の拡大競争を止め、鳴りを潜めている。インターネット業界が直面する環境がますます苛酷になっているということ」と指摘したほか、「今回の百度とアリババの採用人数削減は、単一的な投資と事業の拡大を止め、既存資源の統合 構造の調整といった内向きの方向に力を集中させようというインターネット大手の動きを示している。インターネット大手が冬の時代を迎えたとまでは言わないが、加熱し過ぎた頭を少し冷やす時期が来た」との見方を示した。
(人民網日本語版)
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