欧州委員会のユンケル委員長が9日発表したEU各国が難民を分担して受け入れる案について、一部の加盟国はこれに応える方向ですが、難民問題に重要な責任を持つとみられるアメリカは、EUの直面する難民問題に対して、当事者意識のない姿勢を示しています。
ユンケル委員長は同日フランスのストラスブールで、EUの加盟22ヶ国が難民を分担して受け入れる案を出しました。それによりますと、ハンガリー、ギリシャ、イタリアの各国内にいる12万人の難民を、ドイツは加盟国中最多の3万1000人、フランス2万4000人、スペイン1万5000人受け入れることになっています。また、この案は一部のアフリカの国が辺境の管理や地元経済を改善し、難民の数を根本から減らすために、18億ユーロを拠出することも計画しています。
これに対してドイツのメルケル首相は同日「ドイツは難民問題の解決に『勇気をもって創造的に』指導的な役割を果たすべきだ。欧州は持続可能で一致団結した解決方法を見出さなければならない」と表明しました。スペインのラホイ首相は「スペイン政府はEUと協力して、できるだけ援助を提供する」との姿勢を示しました。
一方、アメリカ・ホワイトハウスの報道官は8日「難民問題に対応する一連の措置は検討中で、時間が必要だ」と話しています。2011年にシリアで衝突が起きて以降、アメリカはシリアからの難民およそ1500人を受け入れているということです。
(中国国際放送局)
関連記事: