在日華人の班忠義氏が20年をかけて撮影した、中国の元8人の従軍慰安婦の証言をまとめたドキュメンタリー映画『太陽がほしい』が、8月に日本で上映した。この2時間50分の映画は、第二次大戦中に日本兵に集団強姦され、慰安婦にされた中国人女性を記録しており、中日政府・社会の慰安婦問題に対する態度を反映している。ボイス・オブ・アメリカ(電子版)が伝えた。
『太陽がほしい』は8月に日本各地で上映され、日本社会から注目されるようになった。班氏は、「宣伝を行っていないが、上映するたび観客が増えるとは思わなかった。上映を終えるたび、上映権を申請する人がいる」と話した。ある74歳の日本人男性は鑑賞後、「中国の元慰安婦は口を開くことに消極的で、記録が少なかったため、映画を見に来た。このドキュメンタリーは思ったよりも価値があり、信ぴょう性の高い貴重な歴史の証言だ。中国の元慰安婦の被害状況を初めて知ることができた」と述べた。
映画は山西省の元慰安婦、万愛花さんが東京で旧日本軍を訴えるシーンから始まる。彼女は涙を流し訴えるうち、気を失い倒れてしまった。班氏は、「東京で万愛花さんに会い、初めて中国の慰安婦問題を知った。3年後、中国で調査を開始した」と語った。
映画の画面は、山西省の黄土高原に移る。山西省の万愛花さん、尹林香さん、尹玉林さん、劉面換さん、陳林桃さん、高銀娥さん、郭喜翠さん、湖北省の袁竹林さんら、中国の元従軍慰安婦があばら屋や横穴式の住居から姿を現す。彼女たちは満身創痍で、病と痛みに苦しめられている。
関心が勇気を育む
彼女たちは当初あいまいに話していたが、班氏と共に撮影に慣れていくに従い、当時の出来事について語ってくれた。劉面換さんは15歳の時に集団強姦され、横穴式の住居に閉じ込められ日本軍の慰安婦にされた。昼も夜も、用を足す時しか休めなかった。「這うようにしてトイレに行き、壁に寄りかかりゆっくり立ち上がり、窓から太陽を見た」という苦難の日々が、作品名を生んだ。劉面換さんの父は40日後に彼女を救い出し、治療を受けさせた。しかし彼女は左腕に障害を負った。彼女は村人たちに経歴を知られていたため、死ぬまで結婚することができなかった。
8人の元慰安婦のうち、慰安婦にされる前に結婚していた人もいる。しかし子供を産む力を失った彼女たちは、救出されたあと夫に捨てられた。カメラを前にした多くの慰安婦はすでに夫を失っており、孤独と貧困に苦しみ、病気を治療するお金もない。子供がいる人は珍しく、家族は、母が一日も幸せに暮らしたことがないと語っている。
班氏は1995年より、日本の民間人による元慰安婦の支援会の代わりに、毎年200万円の寄付金を3回に分け送り届け、重病の元慰安婦に病院で治療を受けさせた。班さんは、「医療費はその他の支出で、総額の統計を取れないほどだ。当時映像を撮影したのは、支出を記録するためだった」と述べた。