日本での境遇
万愛花さんら中国の元慰安婦は20数年間に渡り日本で訴えを起こし、日本政府に謝罪と賠償を求め、東京で開かれた国際応援会にも出席した。中国の戦場に立った元日本兵も、当時の日本軍の暴行について証言した。しかし日本の裁判所は時効や、暴行を働いた兵士が個人であること、中国政府が賠償請求権を放棄したことなどを理由に、敗訴の判決を下した。
中国人慰安婦の歴史問題は幅広い明確な記載が不足しており、ほぼ係争の範囲外となっている。しかし慰安婦問題は日本の内外で注目されている。班氏は20年に渡り記録した、中国の元慰安婦の生の声を編集することを決めた。班氏とドキュメンタリー映画舎「人間の手」は、400時間のビデオの整理と字幕制作などを行った。さらには不眠不休の残業により、8月9日の公開日に間に合わせることができた。班氏は、「本作品の制作に約1000万円を費やした。本作の制作を決定してから、元慰安婦支援会の寄付金を提供する人が増加した。600人弱が撮影に協力し、リストを見るとその多くが日本の女性だ」と紹介した。
異なる寛容の対象
ドキュメンタリーの後半には、日本社会の慰安婦問題を含む第二次大戦の歴史をめぐる係争が記録されている。街頭の市民の対立、靖国神社の外で血を流す負傷者などが含まれる。
後半では他にも、中年の日本人が万愛花さんの病床を訪れ、謝罪する場面が記録されている。ある日本人女性は不慣れな中国語で、「申し訳ありません。私たちの祖先があなたたちを苦しめました。謝罪に来るのが遅れました」と言った。ある男性は万愛花さんの手を握りながら泣き、言葉も出なかった。万愛花さんも、「起きることができず、すみません」、「あなたたちの間違いではありません」と言った。
東京で開かれた国際応援会では、元日本兵が訪日した劉面換さんに直接謝罪した。劉面換さんも穏やかに、「分かりました、間違いを知り良かったです」と述べた。これは黄土高原出身の中国の元慰安婦が、非常に寛容であることを示している。しかし中国共産党員の万愛花さんは臨終の際にも、「私は幽霊になっても、日本政府にまとわりつき謝罪と賠償をさせてやる」とつぶやいていた。
(チャイナネット)
関連記事: