【新華社北京7月20日】国内民衆の強い抗議や野党の断固とした反対を無視して、日本の与党連合がコントロールする衆議院は16日、安倍政府の提起する一連の安保法案を強行採決した。同日、日本の谷内正太郎国家安全保障局長が訪中している。一見何の関わりもなさそうな2つの事柄には、逆に安倍首相が外交の政治的業績を利用して民意の失点を挽回したいという意図がこっそりと含まれている。
与党連合が民意を無視し、衆議院の議席の優位性により「戦争法案」を可決したことは、安倍晋三首相の政治的資本を大量に消耗させた。共同通信社による18日の世論調査結果では、安倍内閣の支持率は6月に比べ9.7ポイント急落し、37.7%に下落した。また、73.3%に達する回答者は衆議院が可決した安保法案を認めないという。
安保法案は野党からの「予想通り」の反対に遭っただけでなく、自民党内でさえも質疑に遭い、党内の意見対立を引き起こした。正に『京都新聞』の社説が伝えたように、多くの国民の疑念や不安を顧みず、安保法案を強行可決させたことは、安倍政権が民主と憲法を蔑視した暴行だといえる。このままでは、日本に消えることのできない禍根を残すだろう。
この敏感な時期に、安倍首相の重要なブレーンである谷内局長が訪中し、中日が北京でハイレベル政治対話を行っている。アナリストは、谷内局長の中国およびモンゴル訪問や日本のロシア・プーチン大統領の訪日を推進する計画などを含め、安倍政権は外交の成績を利用して国内の支持率を向上させようと望んでいるとみなしている。
中日関係は両国人民の根本的利益に関わっている。中国は一貫して中日関係の発展を重視し、また日本側が対中関係分野で誠意ある実際的な行動をとることに対し、積極的に歓迎の意を示している。しかし、安倍首相は一つの重要な道理を認識する必要がある。隣国と真に関係を改善するには、口頭での態度表明や1度、2度の訪問に頼るのではなく、歴史問題で承諾を忠実に守り、アジアの被害国の懸念に真剣に対応し、関連の問題を責任ある態度でしっかりと処理する必要があるということだ。このようにしてようやく、中日関係の発展は安定的且つ長期的なものとなるだろう。多くの経済・社会問題に直面する日本自身にとって、戦後の平和憲法を堅守し、善意をもって隣国と付き合い、共に前進してこそ、自国は長期的・安定的に発展することが実現できる前提である。
安倍晋三首相は6月24日にロシアのプーチン大統領と通話した際、プーチン大統領の年内訪日を希望したという。日本側はプーチン大統領の訪日をたいへん期待している。またプーチン大統領の訪日を推進するために外務副大臣と外務大臣が8月に相次いでロシアを訪問する見通しだとのニュースがある。ロシア側は、ロシアがロ日関係の前進・発展に一貫して賛成し、最高レベルでの対話を含めたすべてのレベルの対話を支持すると表明している。
しかし、日本のこの意図が実現できるかどうかはまだ明らかでない。プーチン大統領は昨年の秋に訪日する予定だったが、ウクライナ問題のために、訪問が延期された。ロシア外務省は今年4月に評論を発表し、次のように伝えている。日本はロ日両国のハイレベル交流の停滞に対して責任を負うべきだ。ロシア側は、日本の対ロシア制裁は米国の圧力によるもので、これは日本が独立自主の対外政策が実施できないことを明らかにしているとみなしている。
(新華網日本語)
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