ロンドン貴金属市場協会(LBMA)は16日、米取引大手インターコンチネンタル取引所(ICE)傘下のICEベンチマーク アドミニストレーション(IBA)が中国銀行のロンドン金価格決定への参加を認可したと発表した。中国銀行の参加でロンドン金価格決定を構成する金融機関は8社となった。非欧米圏の金融機関がメンバーとなるのはこれが初。中国銀行の孫煜(スン ユー)ロンドン支店長は、中国銀行の参加は中国の国際貴金属市場での発言権を大きく高めると述べた。環球時報が伝えた。
LBMAが中国の参加を発表した後、同協会のルース クローウェルCEOは、「新たな金の価格決定制度に参加機関が増えるのは喜ばしい。特に中国銀行は中国初の参加者として、その名に恥じない」とコメントした。孫支店長は、中国は世界最大の金生産国と消費国の一つであるが、長きにわたり中国の金融機関はロンドン金価格決定に参加することができず、中国の金価格に対する発言権と市場規模はミスマッチであったとし、今後中国が一日二回の価格決定に参加できることは、国内市場と国外市場をより効果的に結びつけ、国際貴金属市場の価格決定を中国市場の需給情況に効果的に反映させることができ、国際貴金属市場の価格決定がより「全面的 リアル 客観的」なものとなると述べた。また、ブルームバーグ(Bloomberg L.P.)は、今回の進展は、中国が国際通貨分野と金市場分野での影響力が絶えず増していることの表れだと評価した。一方で、中国は金を買いだめし、3兆7千億ドルという外貨準備の多元化を図り、人民元の国際化を進めているとの分析もある。
「ファイナンシャル タイムズ」によると、現在中国は上海黄金取引所(SGE)で金取引を行い、上海先物取引所(SHFE)で金の先物商品が上場しているという形だが、中国資本の開放に伴い、上海黄金取引所はすでに上海市自由貿易区に初の域外投資家向けの証券市場「国際ボード」を設けている。
中国黄金集団の万喆首席エコノミストは17日、「今回中国銀行が国際貴金属市場で発言権を高めたことは中国にとって大きな進歩であるが、金の価格決定において欧米諸国が依然重要な独占的地位にいることを我々は承知しておく必要がある」とし、「中国が真の参加者として価格決定をできるようになるにはまだまだ時間がかかるが、中国の金市場の成長は世界で最も速く、中国が世界の金取引の構図を揺さぶる大きな存在となりつつあることは確かである。しかし、中国の金市場は依然閉鎖的で、取引に参加する市場主体は国内参加者に限られているため、本当の意味でグローバルな取引をするには多くの困難を要するだろう」と強調した。
(人民網日本語版)
関連記事: