日本の華字紙「中文導報」によると、円の下落が続いたために在日華人の資産が減少し、彼らの生活レベルも「割引」状態に陥っている。
円の下落は日本経済を牽引し、観光業も活気づいた。2014年の外国人観光客による消費額は、55年来初めて日本人の海外消費額を抜いた。とりわけ中国人観光客の「爆買い」が日本を観光収支赤字からの脱出に導いた。観光庁の統計データによれば、昨年の外国人観光客が日本で消費した額は2兆278億円で前年比43.1%のプラス。最高記録を更新した。
その一方、在日華人の多くはその恩恵に与っていない。厚生労働省が発表したデータによると、2014年度(2015年3月まで)の日本の労働者の平均額面給与は4年ぶりに増加した。ただし昨年は消費税増税によって商品価格が上がったため、物価上昇額を除いた実質給与は前年度より3%のマイナスであり、歴代最大の下げ幅となった。
実際、円の下落によって在日華人は悲鳴を上げている。「この2年で我々の生活レベルは下がってしまった。帰国するのもおぼつかない」と在日華人の劉さんは言う。「日本で働き始めてから、毎年両親に20万円の扶養費をあげてきた。同じ額の日本円が、この2年ですごく安くなってしまった。かつては1.6万元だったのに、今では1万元以下だ。私の妻も電気代や野菜、生活用品の値上がりで不満ばかり言っている」。
「“老干媽(唐辛子の味噌)”も何回も値上がりしている」と彼は言う。「数週間に一度、近くの中国物産店で調味料などを買っているが、行くたびに値上がりしている。店の経営者も商売しにくくなったと嘆いているよ」。
「円が下落を始めてから、中国の親しい友達は日本の物は安くて品質がいいとまるで初めて知ったみたいになった。一年に一度も電話をよこさないような人でさえ、買い物を頼んでくる。何枚もの購入リストを持って買い物に行くので、妻のショッピング時間はさらに長くなった。代理購入をするとお駄賃をくれるので、ちょうど我が家の家計を助けるかたちになっている。円が下落して唯一のメリットなのかもしれない」と劉先生は言った。
(チャイナネット)
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