28日、雲南省玉渓市峨山イ族自治県で撮影したゾウの群れ。(小型無人機から、玉渓=新華社記者/胡超)
【新華社昆明5月30日】中国雲南省シーサンパンナに生息していた野生のアジアゾウの群れがこのほど北へ移動し、同省普洱(ふじ)市墨江ハニ族自治県、玉渓(ぎょくけい)市元江ハニ族イ族タイ族自治県、紅河ハニ族イ族自治州石屏県を経て、玉渓市峨山イ族自治県に入った。
28日には、同県内で餌を探すゾウの姿が確認された。この15頭の群れは現在、同省昆明市晋寧区から50キロ足らず、同市市街地から半径約100キロ以内の区域に入っている。
昆明市では、今年10月に第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)の開催が予定されている。国家1級重点保護野生動物に指定され、生物多様性を象徴する種でもあるアジアゾウが北上を続けることはまれなため、社会の注目を集めている。これまでのところ、けが人などは確認されていない。関係部門と地方政府は、ゾウの北上に伴う潜在的な危険を避けるための取り組みを講じている。
中国国内のアジアゾウは、主に同省のシーサンパンナ、普洱、臨滄(りんそう)の3州・市に分布しており、その数は約300頭にすぎない。アジア大陸に現存する最大の陸上野生動物だが、攻撃性が強いという。(記者/趙珮然)