【新華社南京11月12日】中国科学院南京地質古生物研究所は10日、同研究所と福建農林大学の古生物学者がこのほど、遼寧省凌源市で約1億2500万年前の風変わりな被子植物(花を咲かせ実をつける植物)の化石を発見したと明らかにした。「凌源変果(Varifructus lingyuanensis)」と名付けられた太古の植物は、一つの個体上に異なる形態の葉や果実をつけており、初期の被子植物の形態を探る糸口になるという。
研究を主導した同研究所の王鑫(おう・きん)研究員によると、現在の被子植物であれば同じ種類の植物の葉や花、果実などの器官は基本的に一致しているが、凌源変果は「変化に富む」点にその特徴がある。
今回発見された化石は長さ約17センチ、幅12センチで、茎や葉、つぼみ、果実など植物の末端にある多くの器官が含まれていた。同一個体から多様な形を持つ葉や果実が育っており、長い葉柄(ようへい)を持つ葉もあれば、葉柄がなく枝に直接生えている葉もある。短く太い果柄(かへい)に多くの果実がついているものもあれば、細長い果柄に果実が1~2個だけのものもある。
王氏は「現代植物にこれら異なる特性が現れれば、生物学上の分類を超えてしまう可能性がある。しかし1億2500万年前の植物は、その特性を確かに持っていた。初期の被子植物が大きな形態的可塑性と不安定性を持っていたことを裏付けている」と語った。
今回の研究成果はこのほど、国際的な古生物学誌「ヒストリカル・バイオロジー」に掲載された。(記者/王珏玢)
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