:
中国企業、新型肺炎の影響に対する「免疫力」強化
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2020-02-18 16:41:59 | 新華社 | 編集: 张一

8日、江蘇省無錫市にある紅豆集団で防護服を作る従業員。(南京=新華社記者/李博)

【新華社南京2月18日】新型コロナウイルスによる肺炎の感染で、世界第2位の経済大国である中国に一時的な悪影響が出ているが、国内企業はこの窮地を脱する方法を見つけ、新型肺炎の影響に対する「免疫力」を強化する望みを失っていない。

感染拡大が春節(旧正月)の時期と重なったことから、仕出し業者や小売店、製造業、観光業など、国内ではさまざまな産業が大きな影響を受けた。本来は繁忙期であるはずのホテルやレストラン、ショッピングモール、観光地などは、客足もなく静まり返っている。

春節による長期休暇が明け、労働者が続々と職場に復帰していることから、国内企業は政府の支援を受けつつ、自力での損失食い止めを急ぐ。

■迅速な対応

江蘇省で淮揚料理を提供するレストランを経営している章麗青(しょう・れいせい)氏は「以前は、春節の時期になると店の前に長い列ができていたが、今年は旧正月の初日から店を閉めているため、すでに約100万元(1元=約16円)の損失が出ている」と語った。

章氏はまた、営業再開の時期は未定ではあるが、何か手を打たなければならないとの見解を示し、「従業員の研修をネットで行ったり、テークアウトや無接触注文サービスなど、新たなビジネスモデルについて学んだりしている。こうした方法は今後、感染拡大によるダメージに対処する際に役立つだろう」と述べている。

感染拡大により、マスクや防護服といった医療品の需要が急増しているため、一部の中国企業は生産体制の調整を急いでいる。無錫市にある衣料品メーカーの紅豆集団も、そうした企業の一つだ。

今月3日に初めて防護服を完成させ、現在は一日約4万着を生産している同社の顧金竜(こ・きんりゅう)副総経理は「工場を使い捨て医療用防護服の製造所に改造し、生産技術も向上させた」と明かにした。

南京市在住の史蕓(し・うん)さん(29)は、感染予防のため家にいるよう住民らに通達があって以来、暇つぶしのための新たな方法を見つけた。南京市の多くのショッピングモールが微信(ウィーチャット)などのメッセージアプリを活用し、最新コレクションを含む新商品をインターネット上で紹介していることに気付いたのだ。

「仮想空間でウインドーショッピングしているみたい」。ショッピングモールまで足を運ばなくても、パソコンや携帯端末のブラウザーを立ち上げるだけでいいと史さんは話す。

昔ながらの小売店も、難局を乗り越えるためにソーシャルメディアを通じた事業運営を余儀なくされている。南京市に拠点を置く高級ショッピングモール徳基広場の支配人何環(か・かん)さんによると、同モールでは商品ジャンルごとにさまざまなグループチャットを立ち上げるとともに、消費者の要望に応えてショッピングアプリも作った。

何さんは「これまでのところ、化粧品やファッションブランドの売り上げが好調だ。今後もオンラインサービスの改良を続ける」と語った。

四川省の諦達諾科技は、子どもの健康維持に役立つロボットを専門に扱っている。顧客は主に幼稚園や未就学児を対象とした教育機関だったが、新型肺炎の流行で新たなアイデアを手に入れた。独自の先端技術を利用し、自社製ロボットを赤外線体温測定ロボットに改良したのだ。

同社の許波(きょ・は)最高経営責任者(CEO)は、「体温を速く、正確に測定できる新たなロボットは、病院や企業、学校、工場など、多数の人々が行き交う公共の場で利用できる」と述べ、3日間で地元の病院や企業にロボット71台を販売し、さらに受注した300台の生産を開始したと明かした。

孚莱美科環境科技の孫健(そん・けん)総経理は、とても楽観的だ。同社は空気清浄設備に焦点を当てており、「新型肺炎の流行後、空気清浄機の需要が急増した。感染拡大による影響は長くは続かないだろうが、こうした製品の需要は第2四半期には急増するだろう。私たちはそのための準備をしている」と語った。

■政府の支援

不測の事態に対する備えを強化しようと、各企業が知恵を絞っている一方で、各級政府も支援の努力を行っている。

江蘇省蘇州工業園区にあるハイテク企業の雅睿生物科技有限公司は、感染拡大を食い止めるために必要とされている緊急物資を供給できる生産能力を持っていたが、資金難に陥っていたため、その旨を伝えて地元の銀行から500万元の融資を受けることができた。

製造業の中心地の一つである蘇州市の当局は、新型肺炎の流行による影響を受けた企業を支援するため、今月初めに資金援助や減税を含むさまざまな政策を打ち出した。

多くの中小企業にとっては今、賃貸料が大きな負担となっている。だが、国内の20近い省・自治区・直轄市は、賃貸料の減額や免除を行う方針を発表している。

山東省では、地元当局が緊急特別班を編成し、24時間対応可能なホットラインを設置して、企業からの要請に応えたり事業再開時の問題を解決したりしている。

国家電網(SGCC)傘下の国網四川電力も、電気料金の値下げなど地元企業を支援する一連の方策を打ち出している。

中国は、新型肺炎の流行の打撃を受けた小規模企業に対する重点的な金融支援を強化している。銀行各社は、新型肺炎の感染による影響が最も大きい産業分野や湖北省にあるこうした企業に対し、さらなる融資を申し出ている。

   1 2   

中国企業、新型肺炎の影響に対する「免疫力」強化

新華網日本語 2020-02-18 16:41:59

8日、江蘇省無錫市にある紅豆集団で防護服を作る従業員。(南京=新華社記者/李博)

【新華社南京2月18日】新型コロナウイルスによる肺炎の感染で、世界第2位の経済大国である中国に一時的な悪影響が出ているが、国内企業はこの窮地を脱する方法を見つけ、新型肺炎の影響に対する「免疫力」を強化する望みを失っていない。

感染拡大が春節(旧正月)の時期と重なったことから、仕出し業者や小売店、製造業、観光業など、国内ではさまざまな産業が大きな影響を受けた。本来は繁忙期であるはずのホテルやレストラン、ショッピングモール、観光地などは、客足もなく静まり返っている。

春節による長期休暇が明け、労働者が続々と職場に復帰していることから、国内企業は政府の支援を受けつつ、自力での損失食い止めを急ぐ。

■迅速な対応

江蘇省で淮揚料理を提供するレストランを経営している章麗青(しょう・れいせい)氏は「以前は、春節の時期になると店の前に長い列ができていたが、今年は旧正月の初日から店を閉めているため、すでに約100万元(1元=約16円)の損失が出ている」と語った。

章氏はまた、営業再開の時期は未定ではあるが、何か手を打たなければならないとの見解を示し、「従業員の研修をネットで行ったり、テークアウトや無接触注文サービスなど、新たなビジネスモデルについて学んだりしている。こうした方法は今後、感染拡大によるダメージに対処する際に役立つだろう」と述べている。

感染拡大により、マスクや防護服といった医療品の需要が急増しているため、一部の中国企業は生産体制の調整を急いでいる。無錫市にある衣料品メーカーの紅豆集団も、そうした企業の一つだ。

今月3日に初めて防護服を完成させ、現在は一日約4万着を生産している同社の顧金竜(こ・きんりゅう)副総経理は「工場を使い捨て医療用防護服の製造所に改造し、生産技術も向上させた」と明かにした。

南京市在住の史蕓(し・うん)さん(29)は、感染予防のため家にいるよう住民らに通達があって以来、暇つぶしのための新たな方法を見つけた。南京市の多くのショッピングモールが微信(ウィーチャット)などのメッセージアプリを活用し、最新コレクションを含む新商品をインターネット上で紹介していることに気付いたのだ。

「仮想空間でウインドーショッピングしているみたい」。ショッピングモールまで足を運ばなくても、パソコンや携帯端末のブラウザーを立ち上げるだけでいいと史さんは話す。

昔ながらの小売店も、難局を乗り越えるためにソーシャルメディアを通じた事業運営を余儀なくされている。南京市に拠点を置く高級ショッピングモール徳基広場の支配人何環(か・かん)さんによると、同モールでは商品ジャンルごとにさまざまなグループチャットを立ち上げるとともに、消費者の要望に応えてショッピングアプリも作った。

何さんは「これまでのところ、化粧品やファッションブランドの売り上げが好調だ。今後もオンラインサービスの改良を続ける」と語った。

四川省の諦達諾科技は、子どもの健康維持に役立つロボットを専門に扱っている。顧客は主に幼稚園や未就学児を対象とした教育機関だったが、新型肺炎の流行で新たなアイデアを手に入れた。独自の先端技術を利用し、自社製ロボットを赤外線体温測定ロボットに改良したのだ。

同社の許波(きょ・は)最高経営責任者(CEO)は、「体温を速く、正確に測定できる新たなロボットは、病院や企業、学校、工場など、多数の人々が行き交う公共の場で利用できる」と述べ、3日間で地元の病院や企業にロボット71台を販売し、さらに受注した300台の生産を開始したと明かした。

孚莱美科環境科技の孫健(そん・けん)総経理は、とても楽観的だ。同社は空気清浄設備に焦点を当てており、「新型肺炎の流行後、空気清浄機の需要が急増した。感染拡大による影響は長くは続かないだろうが、こうした製品の需要は第2四半期には急増するだろう。私たちはそのための準備をしている」と語った。

■政府の支援

不測の事態に対する備えを強化しようと、各企業が知恵を絞っている一方で、各級政府も支援の努力を行っている。

江蘇省蘇州工業園区にあるハイテク企業の雅睿生物科技有限公司は、感染拡大を食い止めるために必要とされている緊急物資を供給できる生産能力を持っていたが、資金難に陥っていたため、その旨を伝えて地元の銀行から500万元の融資を受けることができた。

製造業の中心地の一つである蘇州市の当局は、新型肺炎の流行による影響を受けた企業を支援するため、今月初めに資金援助や減税を含むさまざまな政策を打ち出した。

多くの中小企業にとっては今、賃貸料が大きな負担となっている。だが、国内の20近い省・自治区・直轄市は、賃貸料の減額や免除を行う方針を発表している。

山東省では、地元当局が緊急特別班を編成し、24時間対応可能なホットラインを設置して、企業からの要請に応えたり事業再開時の問題を解決したりしている。

国家電網(SGCC)傘下の国網四川電力も、電気料金の値下げなど地元企業を支援する一連の方策を打ち出している。

中国は、新型肺炎の流行の打撃を受けた小規模企業に対する重点的な金融支援を強化している。銀行各社は、新型肺炎の感染による影響が最も大きい産業分野や湖北省にあるこうした企業に対し、さらなる融資を申し出ている。

   1 2 下一页  

010020030360000000000000011100441387955461