【新華社武漢10月15日】中国の研究者が、致死率が極めて高いウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」治療に有効な手段を発見、同疾患の克服に向け大きく進展した。
中国科学院武漢ウイルス研究所生物安全大科学研究センターの彭珂(ほう・か)氏と肖庚富(しょう・こうふ)氏の両研究グループがこのほど、中国軍事医学研究院の劉瑋(りゅう・い)氏の研究チームと共同で研究を行い、ベニジピンなどのカルシウムチャネル拮抗薬が、細胞レベルでSFTSウイルスの侵入とウイルスゲノムの複製を著しく抑制できることを発見した。
共同研究チームはSFTS患者の臨床ビッグデータについて後ろ向き研究を行い、ニフェジピンが患者体内のSFTSウイルス複製を抑制し、ウイルス感染による致死率を19・7%から3・6%に低下させることを初めて明らかにした。
SFTSは急に発病し、臨床での致死率は12~50%に上り、発病率は年々増加傾向にある。2017年には世界保健機関(WHO)により、研究開発が直ちに必要な重点疾患リストに組み込まれ、特異性抗ウイルス薬の開発が、早急に解決すべき科学的課題となっている。
彭氏は、共同研究がSFTSの抗ウイルス薬開発にとって重要な理論的参考となり、カルシウムチャネル拮抗薬が比較的幅広い抗ウイルス効果を持つ可能性があることが示されたと説明した。研究成果はこのほど、国際学術誌「Cell Research」の電子版に掲載された。(記者/譚元斌)
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