18日、通草花制作の要領を説明する戴春富さん。(南京=新華社記者/季春鵬)
【新華社南京6月26日】中国江蘇省揚州市に伝わる「通草花」は、芸術的な手法で花の美しさを表現した特色ある工芸品で、原料のカミヤツデの幹の白い髄を葉や花弁の形に成形して接着するなどの工程を経て完成する。優れた作品は本物と見まがうほどの精巧な仕上がりで、技術と精神性を兼ね備えた芸術作品として、鑑賞や収蔵、文化的側面において高い価値を持つ。揚州の通草花制作技術は2007年に江蘇省無形文化遺産の代表的項目リストに登録された。
今年79歳になる揚州の芸術家、戴春富(たい・しゅんふ)さんは、省級通草花制作技芸無形文化遺産の伝承者。この技術を次世代へ伝承するため、弟子入りを希望する人を拒絶することなく、自らが習得した技術のすべてを教えてきた。大学生や芸術を学ぶために退職してよその土地から来た若者など、既に10人が正式に入門している。戴さんは「インターネットで通草花を知った若者たちが、わざわざ学びに来てくれてとてもうれしい。彼らがより優れた作品を制作できるようになり、通草花がもっと多くの人に愛されるようになることを願っている」と語った。