7月31日、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で、生まれたばかりの赤ちゃんパンダを抱く母親の「園潤」(ユェンルン)。(新華社配信/成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地提供)
【新華社成都8月2日】中国四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は1日、ジャイアントパンダ「園潤」(ユェンルン)が7月31日に1頭の雌の赤ちゃんを無事出産したと発表した。出生体重は151・8グラムで「潤九」(ルンジウ)と名付けられた。
「園潤」は同日午前10時24分に破水し、午後0時56分に「潤九」を出産した。
同基地の飼育チームは出産後すぐ「潤九」を「園潤」から引き離して保護し、さまざまな検査を行った。その際に飼育員が「潤九」の口元から首にかけて長い傷があることを発見した。飼育員は「園潤」が「潤九」を抱きかかえようとした際に傷つけたのではないかとみている。
同基地では専門家チームがすぐに「潤九」の負傷状態を細かく観察。傷口の縫合手術を行うことを決め、計9針縫う手術は無事成功した。
飼育チームでは、手術後に「潤九」が正常に食事できない可能性を考慮。「潤九」に母親の初乳を摂らせる際に、人の手で餌を食べさせ、再び負傷しないようにしたいと考えた。だが「園潤」に子育て経験がないため、飼育員の搾乳作業は難易度が高く、危険性も極めて高いものとなった。それでも飼育チームは挑戦し続け、「潤九」のためにより多くの母乳を確保した。
「潤九」は食欲が旺盛で、さまざまな生理学的指標はどれも正常値を示している。同基地では現在「潤九」を24時間体制で見守っている。(記者/余里)