寧廠古鎮製塩業遺跡について説明する考古学調査員。(新華社配信/重慶市文化遺産研究院提供)
【新華社重慶6月9日】中国重慶市文化遺産研究院は、同市巫渓(ふけい)県の寧廠古鎮製塩業遺跡でこのほど、漢代から明清時代の塩泉や塩の運搬道路、商業地域などの遺構が見つかり、同遺跡の考古学研究が重要な成果を得たと明らかにした。9日の文化・自然遺産の日に発掘現場を一部公開する。
寧廠古鎮は秦巴山地に位置し、千年以上の歴史を持つ早期からの製塩地の一つ。
同研究院の関係者によると、同鎮の製塩業遺跡は三峡遺跡に続く保存対象遺跡で、発掘チームは今年4月から遺跡や周辺地区の発掘調査を開始。これまでに漢代から明、清、民国、近現代に及ぶ77の遺構を発見した。
関係者は「今回の発掘調査では塩泉や製塩業、宗廟、官署、塩の運搬道路、船着き場、民家、にがり輸送管、商業地域などの遺構を発見し、寧廠古鎮の生産や生活、商業、管理、宗教信仰が明確になった」と語った。
重慶市巫渓県は太古の昔には「巫臷国」があったと伝えられ、大巴山脈東部の重慶市、陝西省、湖北省の境界に位置する。天然塩泉を利用した塩の産地として有名だが、製塩の歴史は古く、唐代には全国十大塩産地の一つとして、同地で精製した食塩が四川省東部や湖北省などに広く流通した。
9日は中国の文化・自然遺産の日で、6月は重慶市の文化遺産PR月間でもある。同日のイベントでは、同市文化遺産研究院が発掘中の寧廠古鎮製塩業遺跡を公開し、当時の製塩方法や同鎮の歴史を解説する。
関係者は「イベントを通して、文化遺産保存への社会的関心が高まり、文化遺産保存事業が注目を集め、文化遺産に対する人々の理解が深まることを期待している」と述べた。(記者/劉恩黎)