中国銀行業協会の黄潤中秘書長は30日、中国におけるプライベートバンキングは10年間の発展を経て、各商業銀行が経営、管理、商品やサービスの革新において拡大を続けており、すでに全盛期に突入しているとした。新華社が伝えた。
統計データによると、2017年度第1四半期末までに、中国銀行業協会のプライベートバンキング専門委員会のメンバーである19社がサービスを提供する富裕層の顧客口座数は同期比19%増の61万口座、その管理資産は同期比26%増の約9兆元(1元は約18円)となっている。
プライベートバンキングは中国において新興の業務で、資産管理業界が革新と発展をしていく上での「風見鶏」であり、商業銀行がモデル転換をしていく上で力を注ぐ点にもなっている。中国銀行業協会が発表した「中国プライベートバンキング業界発展報告」の中で、半数以上の富裕層が投資限度額の増加を検討しており、期待収益率がやや高い投資商品のニーズが高まりを見せており、これまでのように単一のある商品を購入するのではなく、株や基金、信託など各種投資を組み合わせた商品へと転換してきている。
また同報告書によると、中国人の投資に対する姿勢はますます開放的に、成熟してきており、富裕層の多くが海外市場へと目を向け始めている。そのため、投資ニーズはさらに多くの地域、貨幣、形式という国境を越えた多元化の様相へと転換しつつある。また、富裕層の子女が成人し、家庭における資産配分のニーズが上昇するにつれて、資産の相続が富裕層の重要な資産目標となりつつある。
長期的な発展をしていくのと同時に、現在の中国国内のプライベートバンキングはその業務の位置づけ、経営モデル、収益モデルなどの面において、成熟した市場と比べるとまだやや大きな差が存在する。工商銀行のプライベートバンキング部の馬健総経理は、「中国国内のプライベートバンキングの収益元はやや単一で伝統的なものであり、主に商品の販売手続き料における収入と貯蓄貸付による収益となっている。成熟した市場における重要な収益モデルであるコンサルティングサービスは現在中国国内のプライベートバンキングにおいてはまだ収益を生み出していない」としている。
黄潤中秘書長は、顧客層を育てることと非金融の付加価値サービス能力の深化、監督管理と関連制度の完備などの面に本気で取り組み、中国のプライベートバンキングの発展を促進させていくべきだとアドバイスしている。
(人民網日本語版)
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