新華網ベルリン5月31日(記者/厳鋒 張遠)史明徳中国駐独大使は29日、ベルリンでドイツに駐在する中国メディアの合同取材に応じた際、中独が国交を樹立して45年にわたる双方の関係発展を振り返って高く評価し、新たな国際情勢のもと、両国は開拓進取の精神で中独協力の「アップグレード版」を作り出すには、協力体制メカニズムを革新せねばならないだけでなく、更に思想観念の束縛を突破せねばならないとの見解を示した。
史大使は次のように語った。当面の中独関係は総体的には良いと言える。中欧関係において導きと安定という「錨(いかり)」の役割を果たし続けているが、欧州は現在複雑な情勢に直面しており、世界的な不確定要素も増えている。このような背景のもとで、李克強総理がドイツを公式訪問し、メルケル首相と両国首相による年次会合を行うことは、中欧や中独関係にとって重大な意義がある。中独は今回の訪問を契機として、経済のグローバル化や貿易の自由化、投資の利便化を推進するための積極的なシグナルを外部に向けて発信していくだろう。
中独の科学技術・イノベーション分野における協力について、史大使は次のような見方を示した。中独双方は科学技術・イノベーションを非常に重視し、成果に富んだ協力を行ってきた。2015年と2016年には、ドイツ連邦教育研究省と中国科技部が相手国との科学研究・イノベーション協力の強化を趣旨とする国別戦略をそれぞれ発表している。今回のドイツ訪問中、李総理はメルケル首相と共に「中独フォーラム―イノベーション共創」に出席して講演を行い、中独の人材や技術、資金、成果の転化及び普及といった面での協力のために方向を明示する見通しだ。
欧州連合(EU)とドイツの『中国の世界貿易機関(WTO)加盟議定書』第15条の義務履行の面における進展と態度について話が及ぶと、史大使は次のように指摘した。EUによる『議定書』第15条の義務の着実な履行は、中国側が主に関心を寄せていることだ。当面の世界の自由貿易が保護主義の脅威に直面する状況のもと、中欧双方は保護貿易主義により共同で反対するべきだ。最近ドイツのガブリエル外相が北京で王毅外交部長と会談した際、この問題について積極的な態度表明を行っており、ガブリエル外相は、各当事者は『議定書』第15条の義務を履行すべきであるとともに、EUの関連法の改正によりいかなる国もその対象として差別されるべきではなく、世界貿易機関(WTO)のルールに合致させるべきだと表明していた。我々は、これはドイツ政府の責任ある態度だとみなしている。中国側はEUが当議定書の第15条の義務をいち早く全面的かつ徹底的に履行するよう希望し、またドイツが引き続き積極的影響力を発揮することを願っている。
(新華社より)
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