中国公安部(省)はこのほど、「外国人永住居留証便利化改革方案」を印刷・発行した。これは、外国人永住居留証(中国版グリーンカード)の便利化改革が正式に始動したことを意味する。
国家外国専家局によると、2016年、中国大陸部で働いている外国人専門家及びその他の外国人は延べ90万人を超えたという。中国政府は今年から、外国籍人材の中国への入国、中国での滞在、永住を利便化するための政策を打ち出していくという。
グリーンカードに身分証機能を搭載
外国人永住居留証は「中国版グリーンカード」とも呼ばれており、永住権を取得した外国人が持つ中国の合法的な身分証明書のこと。グリーンカードを所持している外国人は、中国での滞在期限はなく、パスポートとグリーンカードがあれば中国への出入国ができ、ビザを発行する必要はない。
中国では、2004年にグリーンカード制度が打ち出され、04年から13年までに7000枚以上のグリーンカードが発行された。しかしこのグリーンカードはハードルが高く、審査期間が長く、取得してもあまり便利ではないという問題を抱えており、「史上最も取得が難しいカード」と言われてきた。
2016年、中国公安部は1576人の外国人の中国での永住を認め、その数は昨年度比で163%増となった。
公安部がこのほど印刷・発行した「外国人永住居留証便利化改革方案」によると、今回の改革による最大の変化は、証明書の名称が「外国人永住居留証」から「外国人永住居留身分証」に改められた点だという。追加されたこの二文字が、新しい証明書の身分証機能を備えていることを明らかにしている。新しいグリーンカードには第二世代住民身分証を参考に機械での読み取り可能なチップが埋め込まれているほか、鉄道、民間航空、銀行、ホテルなどの情報管理システムに対応させ、グリーンカードの利便化を進めていくという。
世界最大の人材流出国から主要な人材流入国へ
ここ数年、中国政府は出入国管理政策の刷新を続けている。また、前後して北京市、上海市、広東省、福建省などで人材募集マーケットのルート、外国籍中国人優遇政策、身分証切り替え制度、ポイント評価制度などの利用しやすく便利な人材永住制度の実施を模索しており、各地の革新的な発展を促す一連の便利な政策を打ち出している。
中央党校の周天勇教授は、「自由貿易試験区や『一帯一路(the belt and road)』の建設を行うにしても大量の人材が必要となる。それらの業務に携わることは単なる仕事ではなく、一つの事業を生み出すということであり、最も重要な点は、歴史上に自分の功績が残るかもしれないということだ」と語った。
業界関係者は、「今後5年で中国は国内に流入する人口が国外へ流出する人口を上回るという歴史的ターニングポイントを迎え、世界最大の人材流出国から主要な人材流入国へと変わる。中国のグリーンカードも時代の流れに追いついてきており、『一帯一路』沿線国の人材を集めるのに一役買うことになるだろう」との見方を示した。
(人民網日本語版)
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