世界最大と言われる上海モーターショーが19日に開幕し、世界の自動車業界の注目を集めている。
今回は電動化とインターネット化をテーマとしており、未来感が強調されるショーとなっている。コネクテッドカーの技術はまだ発展途上段階だが、IT企業が続々と参与する状況にあることから、その技術やソフトが急速に向上しており、自動車のバリューチェーンやビジネスモデルが変わる可能性があるという分析も見られる。
ロイターによると、新興国際モーターショーである上海モーターショーは、規模がすでに五大モーターショー(フランクフルト、デトロイト、パリ、東京、ジュネーブ)を超えている。今年出展した自動車メーカーや部品メーカーは18カ国2000社を超える。このショーで初公開となった新車は100台以上だ。企業の参加数と新車数は史上最多となった。「ドイチェ・ヴェレ」は、「上海モーターショーは、世界の自動車メーカーが巡礼する聖地だ」とまで言う。
今年のモーターショーはセクシーなモデルが減ったが、入場者は依然として多かった。出展企業も装飾に趣向を凝らしていた。長安フォードはVRによる展示をしていた。VRを通じて自動車を知る趣向だ。ジャガーランドローバーは運転席の模型を設置。画面に手を触れながら運転することができる。バンド演奏や、ダンサーによる踊り、はたまた画家に自動車の絵を描かせる展示もあった。
AFP通信は、上海モーターショーで注目を集める新車は、現在の自動車業界の最前線かつ最先端のもの、つまり電気自動車とコネクテッドカーであると報じる。電動化とインターネット化が今回の上海モーターショーのテーマである。この分野について、中国の自動車メーカーは「ホーム」のメリットを利用して力作をお披露目している。NextEV、LeEco、ZHICHEAUTOなどコネクテッドカーの新興企業のほか、上海汽車、長安汽車、吉利汽車、長城汽車など国内大手自動車メーカーが、スマート化、人と車のコミュニケーション強化、無人運転のコンセプトを全面に打ち出していた。テスラやフォルクスワーゲン、ベンツなど外資系大手と互角に渡り合っているようだった。また中国IT企業と中国自動車メーカーが様々な提携関係を結ぶことで、新しいシステムの開発も進んでいる。
百度は19日、自動運転技術のソフト「アポロ計画」を開放すると宣言した。上海モーターショーの期間に奇瑞汽車と戦略提携を結び、コネクテッドカーとスマート運転の面で全面協力することになった。アリババも、自主開発したオペレーションシステム「YunOS」を展示している。 「
日本経済新聞」は、コネクテッドカーは中国自動車メーカーにとってコスト優位性から技術優位性に移行するカギとなるとみられており、国際市場で今後、後発者の立場でスーパーカーを作るチャンスだと報じる。
自動車産業のアナリストである鐘師氏は、現在、全ての自動車メーカーがコネクテッドカーの開発に積極的に取り組んでいると述べる。なぜなら消費者が求めるものであり、多くの価値をもたらすものだからだ。「この市場はとても大きい。今後の自動車は、ネットとつながっていなければ意味がないと思われるだろう」。
ドイツ経済紙「ハンデルスブラット」は、「中国市場は自動車新技術のリーダーとなった」と報じる。「中国は世界最大の自動車市場であり、ネットの応用が最も普及した国の1つである。中国では、スマホ1台があればお金なしに消費ができる。コネクテッドカーの未来は中国にある」。
「ドイツテレコムネットワーク」は、「自動車市場において中国は我々を超えている」と報じる。「ドイツと中国の対決において、1つの失敗に直面している。自動車産業だ。特に電気自動車やコネクテッドカーの分野で中国は、すでに超大国となった。中国は“新自動車革命”を手動している。今後の自動車産業の覇者となる可能性が高い」。
ドイツ誌「FOCUS」は、「自動車の未来は中国が決めるだろう。もし中国が怒れば、世界の自動車業界に地震が起こる。今後の自動車がどうなろうと、自動車メーカーは少なくとも目の1つを永遠に中国に向けることになるだろう」と記す。
(チャイナネット)
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