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特別寄稿:貿易自由化を推進し アジア太平洋の「友人の輪」を大きく作る――李克強総理のオーストラリア、ニュージーランド訪問に関する展望
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-03-21 14:28:13 | 新華網 | 編集: 王珊寧

  新華網北京3月21日(新華社記者/王蕾 呉夏 尚軍)全国の両会(全国人民代表大会と政治協商会議)の大幕が下がり、中国外交の春のうしおが湧き上がっている。3月22日から29日にかけて、国務院の李克強総理がオーストラリアとニュージーランドを公式訪問する。

 これは李克強総理の就任以来初のオセアニア諸国への訪問となる。また、ちょうど中国・オーストラリア、中国・ニュージーランド国交樹立45周年にあたり、李総理の今回の訪問は二国間関係を一層固め、双方の発展戦略の連結をより着実に実現させるだけでなく、貿易自由化と地域一体化を推進し、アジア太平洋の「友人の輪」を大きく作ることに対しても重要な現実的意義を持つ。

 

発展戦略を連結し 「一带一路」を推進する

 両会後の中国の主要な指導者の初訪問として、李総理は今回の旅で中国の経済成長への「自信」と目新しい「打ち出し」という中国の発展の青写真を携え、オーストラリアとニュージーランド両国の指導者と共に協力の潜在力を深く掘り下げ、共同発展を実現する。

 オーストラリアとニュージーランドは中国の重要な経済貿易パートナーであり、中国とは遠く海また海を隔てているが、中国との共通の利益が幅広く、協力の潜在力が莫大で、中国経済の発展の見通しと発展戦略に強い関心を寄せている。

 中国国際問題研究院(CIIS)アジア太平洋研究所の劉卿所長は、李克強総理の今回の訪問は「一带一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)構想と両国の発展戦略の効果的な連結を推進し、中国・オーストラリア、中国・ニュージーランドの利益の融合という新しい構造を打ち立て、中国とオセアニア諸国の未来の発展の青写真を描くものとみなしている。

  オーストラリア貿易促進庁のスティーブン・ チオボー(Steven Ciobo)貿易投資大臣は先日、「オーストラリア企業は中国が進めている「一带一路」構築に対し濃厚な興味を持ち、それに積極的に参与することを望んでいる。」との見方を示していた。

 

 自由貿易の成果を擁護し 経済のグローバル化を共に推進する

 現在、世界は多くの不確実性の要因に直面し、保護貿易主義が台頭し、「逆グローバル化」の暗流が沸き起こっている。貿易自由化と経済のグローバル化を推進する面で、中国とオーストラリア、ニュージーランド両国は広範なコンセンサスと同じような願いを持っている。

 特にトランプ政権が誕生してから、米国は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を宣言し、オーストラリアとニュージーランドの両国をひとしお失望させ、彼らはその眼差しを一層中国へ向けるようになった。

 今年の両会終了後の中国国内外記者会見で、李克強総理は「経済のグローバル化を擁護し、自由貿易を支持する」という中国の一貫した立場を再び明らかにした。李総理は次のように述べている。中国は世界各国とともにグローバル・ガバナンス・システムを改善することを望んでいる。グローバル化と世界の平和と発展のための協力は一体化したもので、切り離すことができない。自己の利益のみを考えて他人の迷惑を顧みないようでは、問題を解決することはできない。

今回訪れる2か国の対中貿易がいずれも黒字であることは、中国の対外開放と貿易自由化への取り組みを十分に体現している。まさに李克強総理が記者会見で述べたように、中国側は周到に貿易黒字を追求したことはなく、また均衡が取れた貿易を見届けたいと望んでいる。

 

 広大な周辺地域を安定させ、アジア太平洋の「友人の輪」を大きく作る

 グローバル化のプロセスの加速は、中国と大洋洲との距離を二度と遠いものにはさせなくなった。中国にとって、オーストラリアとニュージーランドは地政学的に重要な戦略的パートナーであり、オーストラリアとニュージーランド両国にとって、中国はアジア太平洋地域の頼れる友人だと言える。

 中国とオーストラリア、ニュージーランドはアジア太平洋経済協力(APEC)のメンバーで、東アジアサミット(東アジア首脳会議)の参与者で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉参加国でもあり、また、中国とオーストラリアは同様に20か国・地域グループ(G20)のメンバーだ。王震宇氏は、3か国は既存のメカニズムを十分に利用して対話と意思疎通及び協調と協力を強化し、アジア太平洋地域の相互接続を推進し、経済貿易協力により各分野での全面的な協力を率先して推し進め、地域一体化を新たな高さとレベルまで引き上げるべきだとみなしている。

 経済貿易分野以外でも、中国とオーストラリア、ニュージーランド両国は一連の地域問題で広範なコンセンサスに達することが見込まれる。中国国際問題研究院の王震宇副研究員は、「中国とオーストラリア、ニュージーランドはアジア太平洋地域の安全・安定擁護の面で目標が一致し、気候変動対策、貧困脱却・貧困削減、技術援助、人文交流、テロ取り締まりなどの分野で新たな協力の空間を絶えず模索し、地域問題への対応において建設的な役割を果たしており、また、アジア太平洋運命共同体の構築を推進し、繁栄するアジア太平洋、調和のとれたアジア太平洋という『アジア太平洋の夢』を実現させるだろう。」と指摘する。

 ちょうど収穫の季節にあたる南半球のこの土地において、李総理による新年の初訪問はきっと協力の大きな実を結ぶだろう。

 

(新華社より)

 

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  新華網北京3月21日(新華社記者/王蕾 呉夏 尚軍)全国の両会(全国人民代表大会と政治協商会議)の大幕が下がり、中国外交の春のうしおが湧き上がっている。3月22日から29日にかけて、国務院の李克強総理がオーストラリアとニュージーランドを公式訪問する。

 これは李克強総理の就任以来初のオセアニア諸国への訪問となる。また、ちょうど中国・オーストラリア、中国・ニュージーランド国交樹立45周年にあたり、李総理の今回の訪問は二国間関係を一層固め、双方の発展戦略の連結をより着実に実現させるだけでなく、貿易自由化と地域一体化を推進し、アジア太平洋の「友人の輪」を大きく作ることに対しても重要な現実的意義を持つ。

 

発展戦略を連結し 「一带一路」を推進する

 両会後の中国の主要な指導者の初訪問として、李総理は今回の旅で中国の経済成長への「自信」と目新しい「打ち出し」という中国の発展の青写真を携え、オーストラリアとニュージーランド両国の指導者と共に協力の潜在力を深く掘り下げ、共同発展を実現する。

 オーストラリアとニュージーランドは中国の重要な経済貿易パートナーであり、中国とは遠く海また海を隔てているが、中国との共通の利益が幅広く、協力の潜在力が莫大で、中国経済の発展の見通しと発展戦略に強い関心を寄せている。

 中国国際問題研究院(CIIS)アジア太平洋研究所の劉卿所長は、李克強総理の今回の訪問は「一带一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)構想と両国の発展戦略の効果的な連結を推進し、中国・オーストラリア、中国・ニュージーランドの利益の融合という新しい構造を打ち立て、中国とオセアニア諸国の未来の発展の青写真を描くものとみなしている。

  オーストラリア貿易促進庁のスティーブン・ チオボー(Steven Ciobo)貿易投資大臣は先日、「オーストラリア企業は中国が進めている「一带一路」構築に対し濃厚な興味を持ち、それに積極的に参与することを望んでいる。」との見方を示していた。

 

 自由貿易の成果を擁護し 経済のグローバル化を共に推進する

 現在、世界は多くの不確実性の要因に直面し、保護貿易主義が台頭し、「逆グローバル化」の暗流が沸き起こっている。貿易自由化と経済のグローバル化を推進する面で、中国とオーストラリア、ニュージーランド両国は広範なコンセンサスと同じような願いを持っている。

 特にトランプ政権が誕生してから、米国は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を宣言し、オーストラリアとニュージーランドの両国をひとしお失望させ、彼らはその眼差しを一層中国へ向けるようになった。

 今年の両会終了後の中国国内外記者会見で、李克強総理は「経済のグローバル化を擁護し、自由貿易を支持する」という中国の一貫した立場を再び明らかにした。李総理は次のように述べている。中国は世界各国とともにグローバル・ガバナンス・システムを改善することを望んでいる。グローバル化と世界の平和と発展のための協力は一体化したもので、切り離すことができない。自己の利益のみを考えて他人の迷惑を顧みないようでは、問題を解決することはできない。

今回訪れる2か国の対中貿易がいずれも黒字であることは、中国の対外開放と貿易自由化への取り組みを十分に体現している。まさに李克強総理が記者会見で述べたように、中国側は周到に貿易黒字を追求したことはなく、また均衡が取れた貿易を見届けたいと望んでいる。

 

 広大な周辺地域を安定させ、アジア太平洋の「友人の輪」を大きく作る

 グローバル化のプロセスの加速は、中国と大洋洲との距離を二度と遠いものにはさせなくなった。中国にとって、オーストラリアとニュージーランドは地政学的に重要な戦略的パートナーであり、オーストラリアとニュージーランド両国にとって、中国はアジア太平洋地域の頼れる友人だと言える。

 中国とオーストラリア、ニュージーランドはアジア太平洋経済協力(APEC)のメンバーで、東アジアサミット(東アジア首脳会議)の参与者で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉参加国でもあり、また、中国とオーストラリアは同様に20か国・地域グループ(G20)のメンバーだ。王震宇氏は、3か国は既存のメカニズムを十分に利用して対話と意思疎通及び協調と協力を強化し、アジア太平洋地域の相互接続を推進し、経済貿易協力により各分野での全面的な協力を率先して推し進め、地域一体化を新たな高さとレベルまで引き上げるべきだとみなしている。

 経済貿易分野以外でも、中国とオーストラリア、ニュージーランド両国は一連の地域問題で広範なコンセンサスに達することが見込まれる。中国国際問題研究院の王震宇副研究員は、「中国とオーストラリア、ニュージーランドはアジア太平洋地域の安全・安定擁護の面で目標が一致し、気候変動対策、貧困脱却・貧困削減、技術援助、人文交流、テロ取り締まりなどの分野で新たな協力の空間を絶えず模索し、地域問題への対応において建設的な役割を果たしており、また、アジア太平洋運命共同体の構築を推進し、繁栄するアジア太平洋、調和のとれたアジア太平洋という『アジア太平洋の夢』を実現させるだろう。」と指摘する。

 ちょうど収穫の季節にあたる南半球のこの土地において、李総理による新年の初訪問はきっと協力の大きな実を結ぶだろう。

 

(新華社より)

 

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