2016年「国際旅行インターネット大会」が23日、中国浙江省杭州市で開幕した。故宮博物院の単■翔院長(■は雨かんむりに斉)は同大会で「現状、毎年故宮から出展される収蔵品は全体の100分の1にも満たない。観光客にさらに多くの収蔵品を見てもらうために、故宮博物院は将来的に北京市北部に新たな博物院を建設する予定だ」ということを明らかにした。中国新聞網が伝えた。
故宮はフランスのルーブル、アメリカのメトロポリタン、イギリスの大英博物館、ロシアのエルミタージュと並び世界五大博物館と称されている。現存する木造建築郡の中で世界最大規模を誇り、最も完璧に残っている宮殿建築群。また世界で最も多くの中国に関する文物を収蔵しており、訪れる観光客が最多の博物館でもある。
単院長は「故宮は1つの宮殿建築群であり、その存在は非常に特殊だ。旅行景勝地であり、博物館であり、文化教育機関でもある。故宮が現在最も頭を抱えている問題が、多くの収蔵品を展示できていないことだ。世界各地の大博物館では、少なくとも10%、多くて20%の収蔵品が展示されてる。ところが故宮博物館は毎年7~10回展覧会を開くものの、実際に展示されている文物は全体のわずか0.5%だ。そのため、中国政府は故宮のこういったニーズを受けて、新たな博物館の建設に同意した」と明かした。
また単院長は、「新しい博物院は故宮から25キロメートル離れた風景区に建設する。南は円明園、北は八達嶺、万里の長城、明の十三陵に面しており、旅行の黄金ルートであり文化遺産ルートである。新設される博物館の南には湖があり、北には川がある。公園の中の博物館、緑地の中の博物館を造っていきたいと考えている」と明かした。
第1期工事は12.5万平方メートル。この新博物館が建設されると、故宮の大量の文物収蔵品がテーマごとに分けられ、展示されることになる。同時に故宮の多くの文物修復が可能となる。修復の過程も観光客に公開される予定だ。
観光客が収蔵品についての理解をより深めてもらうため、故宮は、故宮博物院デジタル博物館という最先端システムを導入している。観光客がどのエリアのどの建物にいても、スクリーンを操作することで、そのエリアの歴史と現状を把握できるようになっている。内蔵されているデジタル書道機能では、蘭亭序など中国の有名な書作品など、お手本となる諸作品を選択し、それを模写することができる。
同時に、故宮は開放エリアをさらに拡大する予定だ。現在は76%のエリアを開放しているが、2020年には80%、2025年には85%までの拡大を目標としている。
(人民網日本語版)
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