アリペイが12日から有料化する。先日も伏線として、ウィチャットペイが現金引き出しに手数料を取るようになっていた。インターネットの“フリーランチ”が少なくなってきたことに、人々はため息をついている。
アリペイの規定によると、累計2万元を超える個人ユーザーの現金引き出しに対し、12日から0.1%の手数料を徴収する。
これまで、インターネットは無料というのが当たり前だった。
初期のインターネットでは、ニュースサービスもQQもタオバオも無料だった。メールアドレスも音楽も無料だった。無料というのがインターネット企業のビジネスモデルにみえた。
奇虎360は無料にすることで、既存のウィルスセキュリティソフト企業の瑞星や金山を駆逐した。膨大なユーザーを集めた後、広告や追加有料サービス、ゲームなどで収入を確保してきた。
インターネットサービスを無料にするロジックは2つある。1つは、サービスの多面的展開により、より多く使用されるようにするためである。もう1つは、スマホのインターネットユーザーの規模が拡大を続けていることにより、ユーザー1人あたりのサービスコストが減少し、ゼロに近づくからである。これが無料サービスの基礎を築いた。
にもかかわらずこの数年、ネットサービスの課金が新たな趨勢となっている。コンサルティング企業の「賽迪経略」によると、インターネット経済におけるビジネスモデルは、前段階で無料サービスを提供するが、次の段階では情報やインテリジェンスに対する課金サービスを展開すると指摘する。
インターネット動画を例にとると、正規版重視の傾向に伴い、版権とネットワーク帯域が動画サイト最大のコストになっている。主な収入は広告だが、それだけではコストを賄いきれず、無料サービスが維持できない。今年6月までに動画サイトの愛奇芸の会員数は2000万人を超える。無料ユーザーは依然として存在するが、視聴前に広告を視聴しなければならない。一方、会員になると広告の視聴は必要なくなる上、ネットドラマを人より早く見ることができる。またより多くの映画も見ることができる。楽視や優酷、騰訊といった動画サイトも同様のビジネスモデルを採用し、自分たちのユーザーを囲い込んでいる。
版権保護の強化に伴い、動画だけでなく書籍や音楽のサービスでも課金を認めるユーザーが増えてきている。
ITニュースサイト「飛象網」の項立剛CEOは、「インターネット上では現在、一部サービスで有料化が始まっている。なぜなら、どんなプラットフォームの運営もコストがかかるからだ。ユーザー数がそれほど多くなければ、プラットフォームがそれを負担することになる。ユーザー数が多くなるに従い、振替や現金引き出しのコストも高くなる。プラットフォームにそのような高いコストを負担する力はない」と述べる。
しかし無料モデルは依然として存在する。プラットフォームが提供する基本サービスやニュース提供サービスなどである。現在最も流行するクラウドサービスでは、さらに多くのストレージやサービスが欲しいと思えば、会員申請が必要となる。
DCCI研究員の劉興亮院長は取材に対し、インターネットの課金は今後さらに増えていく一方、無料サービスはますます減少するとの見方を示しながら、これはインターネットサービスの趨勢なのだと指摘する。
(チャイナネット)
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