リオデジャネイロ五輪で、五輪の通算金メダル数を23個に伸ばした米国のマイケル・フェルプス選手が「あざ」のある状態でレースに出場し、中国伝統の「カッピング療法」が世界中で注目されるようになった。そのため、海外メディアからは、「リオ五輪の最大の勝者は中国医学」との声も上がっている。実際には近年、中国医学を含む、中国伝統の養生の方法も外国人に人気となっており、はるばる海を渡って中国に来て、老後を過ごす外国人も増えている。環球時報が報じた。
▼中国医学の養生が外国人に人気
老後に中国に来る外国人に最も人気なのは、住みやすい気候で、美しい景色が広がる海辺の都市だ。中国で老後を過ごす外国人にとって最も魅力となっているのは、気候や風景だけでなく、人を魅了する文化、伝統的な養生方法、中国の食べ物などもある。
河北省医療気功病院・中国医学の肖遠徳副主任医師は取材に対して、「毎年、100人以上の高齢の外国人がここに来て、太極拳や気功を習ったり、針灸、もぐさ灸、かっさなど、各種中国伝統療法を受けたりしている」と話した。
▼中国の老人ホーム、人気の秘訣は料金
中国の公立の老人ホームは現在、外国人は受け入れていない。しかし、西洋諸国の老人ホームと比べると、中国の私立の老人ホームは、価格やサービスの点で高齢の外国人に人気となっている。
北京のあるシルバー機構の運営者は取材に対して、「中国の私立の老人ホームの料金は、1カ月当たり5000-1万元(約7万5000円-15万円)。西洋諸国の老人ホームよりは受け入れられやすい料金だ。米国の老人ホームなら、一カ月当たり4000ドル(約40万円)、英国なら2600ドル(約26万円)が必要だ。そのため、西洋諸国の所得が少なく、中国文化に興味がある高齢者は、中国の老人ホームを選択する傾向がある」と説明した。
▼課題は言語と医療費
ただ、高齢の外国人を受け入れるのにも課題が存在する。高齢の外国人にとって、中国の老人ホームで生活する際、最大の問題となるのが言葉だ。そのため、中国の老人ホームは現在、積極的に対応策の考案にあたっている。肖主任医師によると、「老人ホームは現在、スタッフが外国語を話せるように訓練すると同時に、外国語を話せる人を雇用するようにもしている」という。
中国老齢科研究センター老齢経済・産業研究所の王莉莉副所長は16日、取材に対して、「高齢の外国人が中国で老後を過ごす際の別の問題は医療に関するものだ。高齢の外国人は中国人ではないため、中国の医療保険は使えず、医療費が高くなる」と説明した。
肖主任医師は、「世界の養老大国と比べて、中国の養老業は対外サービスの能力やクオリティの面で、まだ改善が必要だ。養老産業の外国人を対象にしたサービスにおいて、中国は初期段階で、発展までの道のりはまだ長い」と指摘している。
(人民網日本語版)
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