中央人民広播電台の「中国之声」のニュース番組 「央広新聞」によると、鴻海集団と日本のシャープはこのほど、中国商務部の独占禁止法審査を通過と発表した。富士康(フォックスコン)は38億ドルでシャープの株式66%を取得し、手続き完了後に新経営陣の結成、リストラ、工場合併を行う。
郭台銘氏が会長を務める鴻海集団は38億ドルでシャープの株式66%を取得する。買収価格は今年4月に明るみになった60億ドルより36%減少。シャープは、今年4~8月に30億ドルの潜在的債務があり、債務超過となっていることが明らかになった。シャープ買収を発表した日、高橋興三氏は社長を退任し、鴻海の戴正呉副総裁を代表取締役社長とし、新経営陣を結成することを発表。リストラと工場合併は、富士康の基準とスタイルに基づいて行う。戴正呉氏は今年5月、シャープ人員を全世界で7000人規模削減すると発表している。現在の全世界のシャープ人員は4万3000人であり、7000人削減ということは16%を削減することになる。
鴻海のシャープ買収は、生産ラインと生産能力を買収するだけでなく、OLEDディスプレイや大型液晶ディスプレイの技術、特許、人材を獲得することが主な狙いだとの分析もある。アップルは2017年に発表するiPhoneとiPad新商品にOLEDパネルを採用するとも伝えられているが、この技術においては現在、韓国メーカーがトップに立っている。周知の通り、鴻海の傘下である富士康はアップル最大の工場であり、アップルのパネル供給業者になるには、鴻海はシャープのOLEDの技術と資源を確保する必要がある。OLEDディスプレイのほか、シャープは液晶ディスプレイにおいて4世代から10世代ラインを保有しており、シャープ買収後に鴻海は大型液晶ディスプレイ市場に迅速に切り替えることができる。
(チャイナネット)
関連記事: