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中国機による「危険な接近」、米軍機による近接偵察が原因
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-05-21 11:08:11 | チャイナネット | 編集: 吴寒冰

 米国防総省は18日、米軍のEP-3偵察機1機が17日、南中国海の「公海上空」で飛行中、中国のJ-11戦闘機2機による「危険な」接近を受けたと発表した。双方の距離は約15メートルまで近づいたという。具体的な場所は、香港から南の南中国海北部の上空。

 米軍偵察機が近接偵察を行い、中国が戦闘機で遮る。これは中米間で続けられているゲームだ。遮る際には必ず相手がいるもので、絶対の安全はありえない。双方の現場の軍人が、操作ミスする可能性がある。中国の戦闘機と米国の偵察機が2001年、南中国海の上空で衝突し、中国のパイロット1名が命を落とした。米国の偵察機は破損後、許可なく海南島の軍用空港に着陸した。双方に重大な危機が生じた。

 米軍機が中国の海岸に接近し偵察を続ければ、解放軍はこれを遮る能力を高め、行使することになるだろう。中米間で新たな軍機衝突事件が生じる可能性が、高まるかもしれない。2001年の危機が再演されれば、さらに衝撃的で危険な事件となるだろう。中米の2001年の戦略的緊張感は、15年後の今日に遠く及ばない。あの軍機衝突事件は、「個別のケース」と見なされやすい。

 今日再び中米の軍機が衝突すれば、戦略的な相互不信任を募らせる引き金になるかもしれない。世界もこれを重く捉え、中米双方は事態の収拾がつけにくくなるだろう。

 まず中国人からすれば、再び軍機が衝突するならば、墜落するのは中国機であってはならない。米軍機が着陸し、最終的に米軍に送り返されるというシナリオは、もはや受け入れがたくなっている。多くの中国人は、このような状況が生じた場合、米軍機が墜落するか、撃墜されるべきだと願っている。中国人のこの願いは、軍人の当時の反応と当局による善後処置にプレッシャーをもたらす。

 再び軍機衝突事件が発生した場合、中米双方はどのような姿勢を示すだろうか。両国および世界の世論は、これを両国による国益を守る意志の現れと考えるだろう。双方の妥協が難しくなり、強硬な姿勢と頑なな決意による駆け引きが、両国の社会から最も歓迎されるだろう。

 2つの核大国が剣を握り、世界の世論に見守られながら真っ向から対立するのは、これが初めてとなる。既存の大国、台頭する大国の恨みの炎が燃え盛ることだろう。

 中米両国はこのようなことを願っているのだろうか?答えはおそらく、ノーだろう。双方は戦略的に対立する心の備えをしておらず、この備えをするのは両国にとっても容易なことではない。

 それでは双方はコントロールの喪失を回避しなければならない。中国が米国の偵察機は来るべきではないと言えば、米国は中国側は見せかけだけでもいいのに本当に遮るとは何事かと言うだろう。どうやら問題は、膠着状態に陥ったかのようだ。

 しかしながら理に基づけば、一歩下がるべきは米国だ。この摩擦が生じた空域は、中国の海岸線に近い。米国は「公海」を主張しているが、米軍機による行為は中国の脅威となっている。これは米国が「玄関先」でもめごとを起こしているのであり、中国は一歩下がるほど国土の安全が脅かされる。これは中米が果てしなき論争の後、思い出さなければならない常識だ。

 米国は世界での覇権をできるだけ留めようとしており、中国は国家安全をできるだけ留めようとしている。これは同じ緯度・水準の問題ではない。

 米国がこの理を受け入れようとしないならば、南中国海の問題は赤裸々な実力の駆け引きになる。中国は仕方なく、付き合うしかあるまい。それならば南中国海の上空で起きることは、米国の覇権と中国の主権の正当性を争う賭け、ゲームになる。理論的には、導火線に火がつけられ、情勢がコントロールできなくなれば、中米は掛け金を増やさなければならない。「玄関先」まで来られた中国は、すべてを惜しまなくなるだろう。そうすれば米国も掛け金を増やす必要がある。太平洋艦隊という掛け金は少なすぎ、十分とは限らない。

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

中国機による「危険な接近」、米軍機による近接偵察が原因

新華網日本語 2016-05-21 11:08:11

 米国防総省は18日、米軍のEP-3偵察機1機が17日、南中国海の「公海上空」で飛行中、中国のJ-11戦闘機2機による「危険な」接近を受けたと発表した。双方の距離は約15メートルまで近づいたという。具体的な場所は、香港から南の南中国海北部の上空。

 米軍偵察機が近接偵察を行い、中国が戦闘機で遮る。これは中米間で続けられているゲームだ。遮る際には必ず相手がいるもので、絶対の安全はありえない。双方の現場の軍人が、操作ミスする可能性がある。中国の戦闘機と米国の偵察機が2001年、南中国海の上空で衝突し、中国のパイロット1名が命を落とした。米国の偵察機は破損後、許可なく海南島の軍用空港に着陸した。双方に重大な危機が生じた。

 米軍機が中国の海岸に接近し偵察を続ければ、解放軍はこれを遮る能力を高め、行使することになるだろう。中米間で新たな軍機衝突事件が生じる可能性が、高まるかもしれない。2001年の危機が再演されれば、さらに衝撃的で危険な事件となるだろう。中米の2001年の戦略的緊張感は、15年後の今日に遠く及ばない。あの軍機衝突事件は、「個別のケース」と見なされやすい。

 今日再び中米の軍機が衝突すれば、戦略的な相互不信任を募らせる引き金になるかもしれない。世界もこれを重く捉え、中米双方は事態の収拾がつけにくくなるだろう。

 まず中国人からすれば、再び軍機が衝突するならば、墜落するのは中国機であってはならない。米軍機が着陸し、最終的に米軍に送り返されるというシナリオは、もはや受け入れがたくなっている。多くの中国人は、このような状況が生じた場合、米軍機が墜落するか、撃墜されるべきだと願っている。中国人のこの願いは、軍人の当時の反応と当局による善後処置にプレッシャーをもたらす。

 再び軍機衝突事件が発生した場合、中米双方はどのような姿勢を示すだろうか。両国および世界の世論は、これを両国による国益を守る意志の現れと考えるだろう。双方の妥協が難しくなり、強硬な姿勢と頑なな決意による駆け引きが、両国の社会から最も歓迎されるだろう。

 2つの核大国が剣を握り、世界の世論に見守られながら真っ向から対立するのは、これが初めてとなる。既存の大国、台頭する大国の恨みの炎が燃え盛ることだろう。

 中米両国はこのようなことを願っているのだろうか?答えはおそらく、ノーだろう。双方は戦略的に対立する心の備えをしておらず、この備えをするのは両国にとっても容易なことではない。

 それでは双方はコントロールの喪失を回避しなければならない。中国が米国の偵察機は来るべきではないと言えば、米国は中国側は見せかけだけでもいいのに本当に遮るとは何事かと言うだろう。どうやら問題は、膠着状態に陥ったかのようだ。

 しかしながら理に基づけば、一歩下がるべきは米国だ。この摩擦が生じた空域は、中国の海岸線に近い。米国は「公海」を主張しているが、米軍機による行為は中国の脅威となっている。これは米国が「玄関先」でもめごとを起こしているのであり、中国は一歩下がるほど国土の安全が脅かされる。これは中米が果てしなき論争の後、思い出さなければならない常識だ。

 米国は世界での覇権をできるだけ留めようとしており、中国は国家安全をできるだけ留めようとしている。これは同じ緯度・水準の問題ではない。

 米国がこの理を受け入れようとしないならば、南中国海の問題は赤裸々な実力の駆け引きになる。中国は仕方なく、付き合うしかあるまい。それならば南中国海の上空で起きることは、米国の覇権と中国の主権の正当性を争う賭け、ゲームになる。理論的には、導火線に火がつけられ、情勢がコントロールできなくなれば、中米は掛け金を増やさなければならない。「玄関先」まで来られた中国は、すべてを惜しまなくなるだろう。そうすれば米国も掛け金を増やす必要がある。太平洋艦隊という掛け金は少なすぎ、十分とは限らない。

 

(チャイナネット)

 

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