新華網北京5月16日 (新華社記者/辛倹強)米国上院情報特別委員会は、「対テロ戦争」時期で中央情報局(CIA)が尋問中に受刑者に対して行った拷問と虐待の暴行を記録した6,000枚余りの調査報告書を手に持っていた。だが、この報告書は全文が公開されることはなかった。
米国コロンビア特別区連邦巡回控訴裁判所はこのほど、この案件について裁定を下し、調査報告書の全文の公開を支持しないと表明した。公開を拒否する理由は同報告書の所有権は国会に属し、関係民間団体が提示した報告書全文の公開要求で引用されたのは『情報自由法』で、連邦政府行政機関にのみ適用され、国会に適用されないというものだ。同裁判所の地位と権力は米国の最高裁判所に次ぐため、今回の裁定によって、容疑者虐待の報告書全文を公開する可能性はより一層、低くなり、中央情報局の容疑者虐待の全事実の真相を人々が理解するのを阻害する。
「9•11」同時多発テロの後、米国はテロ取締まりを口実に、アフガニスタンとイラクでの2つの戦争で長期化した「対テロ戦争」を発動した。戦時中に米国兵士と中央情報局は組織的に受刑者を虐待した。アブグレイブ刑務所とグアンタナモ収容所は、拷問で悪名が高い収容所だ。2004年以降、受刑者が虐待されたことに関する悪い噂が絶えず報じられ、この国際法に甚だしく違反し、人権を侵害する行為が全世界の強い批判と憤慨を招いたことによって、米国の「解放者」のイメージが根本的に崩れた。
米国が細心の配慮を尽くして受刑者を虐待する真相を内密にするのは、米国人は一旦、真相が全て暴露されれば、米国が全世界で演じてきた「人権衛士」のイメージが更に悪化することを承知しているからだ。
(新華社より)
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