清華大学不動産研究所の劉洪玉所長の試算によると、現在の不動産税金政策を踏まえれば、不動産を賃貸に出した場合、営業税、不動産税、所得税、都市部土地使用税などを納めなければならず、合わせると賃貸収入の20%を超える。物件の管理コストもあり、賃貸の総合収益率は2.5%ほどにしかならない。政策による支援がなければ、賃貸住宅市場は利益を生み出すことができず、規模の拡大は難しく、関連企業も大きく強く成長することはできない。
需要者側からみると、中国の不動産市場の情況は、量の増加の時期から量の増加とストックが併存する時期へと発展し、一線都市の一部では中古物件が新築物件を上回る状況がみられる。人々の消費の観念も変化しつつあり、購入一辺倒から購入と賃貸の併存へと変化している。
全国人口センサスのデータによると、都市部住民の約25.8%が賃貸住宅に住んでいる。うち公的な安価な賃貸物件に住む人が2.7%、民間の賃貸物件に住む人が23.1%だ。多くの先進国 地域では、賃貸物件の供給のうち、企業や事業単位などの機関が賃貸に出した物件の割合が25~30%を占める。
中国不動産業協会の朱中一元副会長は、「賃貸住宅市場の大規模な発展を推進することは、消費者の不動産市場参入コストと住宅購入の圧力を引き下げ、不動産を購入して長期間ローンを返済するモデルから短期的に賃貸料を支払うモデルへの転換を促す上でプラスになる」と話す。