世界四大会計事務所の1つであるアーンスト アンド ヤング(EY)は、先ごろ北京で発表した「勇躍海外:製造大国のグローバルドリーム――中国海外投資展望2016」と題したリポートで、2016年の中国の対外投資は10%以上の高成長を維持し、投資規模は過去最高を更新する見通しだと指摘した。
「走出去」(海外進出)戦略や「一帯一路」構想、「中国製造2025」などの国家戦略の推進に伴い、中国の対外投資は向こう5年も急成長が続く見込みだ。うち、高速鉄道や原発などのハイエンド設備製造が企業のハイエンド型へのモデル転換と海外拡張戦略の重点となる見通し。
アーンスト アンド ヤングの周昭媚氏は、「第13次5カ年計画(十三五、2016-2020年)」はイノベーション主導、全方位の開放発展などが焦点だと指摘。「今後もより多くの中国企業が海外進出を果たし、中国資本のグローバル展開により産業の高度化と国際協力が加速する。また、中国企業の海外M&Aがハイエンド化、多様化し、高付加価値の技術と販売網を獲得すれば、企業の国際競争力も強化されるに違いない」としている。
統計では、2015年の中国経済成長率は6.9%にとどまったが、同年の中国対外直接投資は前年比13.3%増と急増し、1395億3000万米ドルの過去最高を更新した。また、過去5年間の中国対外直接投資の年平均成長率は16.9%に上る。世界経済の回復の歩みは依然として不透明だが、中国の海外への投資熱は冷める気配がない。
周昭媚氏によれば、モデル転換と高度化、国際競争力向上を狙いとした対外投資ブームが中国企業の間で広がっている。次の段階としては、「中国“智”造」の発展、中国ブランドの確立、中国サービスの向上が、中国製造の「走出去」が目指す新たな方向となる。拡大が続く中国の対外投資は、中国の経済成長を主導し、グローバル化を加速させる新たな原動力となる。
(チャイナネット)
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