中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議(五中全会)は10月26~29日に北京で開催される。中国の国民経済と社会の発展を左右する第13次5カ年計画(2016~2020年)が審議される見通し。中国の経済規模が膨らみ、世界経済への影響力が強まるいま、次期5カ年計画に世界の関心が高まっている。
ドイツのジャーマン ファイナンス オンラインは13日、「今後のカギを握る会議」と評した。これまでと違い、中国の経済成長が鈍化する「新常態」(ニューノーマル)を迎えるなかで5中全会が開かれる。次期5カ年計画は、中国の今後の発展だけでなく、世界経済の回復にも大きく影響すると解説した。
香港の英字紙『サウスチャイナ モーニング ポスト』は、「持続可能な発展」と「国有企業改革」の2点が中核議題となり、第13次5カ年計画にその解決策が示されると分析。経済の構造転換、輸出 投資への依存度の低減、国内消費の拡大、生産 イノベーションの推進を図る上でも、この2点がキーワードになる。ミシガン大学ロスビジネススクール 経営戦略学科のリム教授は同紙に対し、「経済活動でもっとも活力が溢れ、自給自足の能力を持つのは民間企業だということを中国政府は理解している。第13次5カ年計画で、経済の中心が国有企業から民間企業へシフトし、再バランス化を図るのが重要課題だ」と語った。
日本の国営テレビNHKは13日の番組で、習近平主席を中核とする中国の指導部は構造改革を推進しており、経済発展の速度よりも質を重視していると解説した。2020年までにGDP(国民総生産)と国民平均所得を2010年の2倍にすることを目標に掲げている。一方、経済成長が減速するなか、中国の指導部は「成長を合理的な範囲に保つ」経済運営を継続すると同時に、痛みを伴う改革にも取り組んでいる。このため、次期5カ年計画が注目されていると伝えた。
シンガポールの華字紙『聯合早報』は、経済の下振れ圧力が続くなか、中国政府が新たな景気刺激策を打ち出すと同時に、経済成長目標を適度に引き下げる可能性があると報じた。また、2人目の出産を全面的に認める一人っ子政策の緩和や、生態環境の保護、ビッグデータ産業政策なども第13次5カ年計画に盛り込まれる可能性があると予想している。
『日本経済新聞』は12日付の記事で、第13次5カ年計画を「習近平指導部が初めて立案する5カ年計画」として紹介。2015年までの現行計画では年平均7%の経済成長を前提としていたが、次期計画では6%台に引き下げるとの見方も出ていると伝えた。独ドイチェ ヴェレも、第13次5カ年計画期間中の経済成長目標は6.5~7%に設定される可能性があり、6.5%がより確実で合理的とみる経済学者も少なくないと報じている。
(チャイナネット)
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